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不沈艦日記
マーケット展望などなど。
本丸は貿易戦争ながら・・・
おはようございます。

週末に発表され雇用統計は、事前のトランプマンによるドヤツイート通り、
失業率、雇用者数、肝心の賃金共に揃い踏みでフルゴリラな好結果となり、
景気の先行指標であるISM製造業も鈍化傾向から改善、住宅指標も堅調
米新車販売台数も堅調(トヨタと日産は前年割れ)、
木曜に発表されたFRBが物価の目安とするコアPCEデフレータも堅調
消費支出も堅調だったので、足元の米マクロ環境は堅調でおます。
(日本はGDPがイマイチだったり、欧州は鈍化が目に付きます)

さらに週末にはイタリアで反ユーロ政権なのはともかく、
新政権が発足したことで政治空白は終えることになり、
スペインではラホイのおっさんが追い出されたものの、
再選挙にはならないこともあり、政治の混乱は落ち着くらしく、
そしてトランプマンもカリアゲマンの手下と会談し、
12日にトラ刈会談を予定通り行うことを決めたこともあり、
肝心の貿易戦争は大丈夫でっか・・・という疑念は晴れないものの
ひとまず週末は米マクロ環境、地政学リスクの好材料が出ております。

それを受けた週末の市場の動きとしては・・・
米長短金利上昇、英欧長期金利上昇、南欧金利低下、
ドル高(ポンド最強高、ユーロ安、円最弱安)、
という米利上げ姿勢を反映するような動きとなり、
株式市場では主役の米株が前日より商いが減ったものの、
それなりに商いを伴って反発となり(VIXも13.46まで低下)、
ナスダックに至っては史上最高値間近に迫っており、
欧州株も前日より商いが減ったものの、伊・スペイン・南欧諸国も含め
それなりに商いを伴っての反発、英株は薄商いながら反発、
我らが日経平均先物も堅調に終えているので、
週末の先進国の動きとしては、原油安が気掛かりながらも(金は反落)、
金利上昇(ドル高)アレルギー克服にトライするような動きで終えており、
(原油以外はリスクオンの動きではある)
政治が混乱していたイタリアとスペインの水準自体はまだ危ういながらも、
週末は金利低下、株価は反発とひとまず落ち着いて終えております。

ただし火薬庫となっているドイツ銀行は史上最安値近辺の横ばい、
新興国の資金流出も週末は止まったものの、まだまだ危うい水準であり、
商品は概ね堅調ながら肝心の原油は売りが継続しており、
今週以降もドル高が続くようだと、原油売りも継続しそうですから、
先進国ではコスト安の恩恵はあれど物価の下押し(金利低下)圧力となり、
新興国では資源国を中心に資金流出が継続しそうです。
中国についても、足元では債券が踏ん張っているものの(金利低下)、
人民元安、株安(節目の3000近辺)は継続しております。

以上の通り、週末時点では落ち着いた動きではありますが、
肝心の貿易戦争リスクは何ら解決しておらず、本番はこれからであり、
そもそもの市場で患っていた病は、
2月に発症した金利上昇(ドル高)アレルギーですから、
週末はアレルギー克服にトライするような動きにはなっておりますが、
克服の土台となるマクロ環境や企業業績へダイレクトに影響する貿易戦争が、
解決するなり、柔軟姿勢となるなり、まさかの織り込みにならないことには、
金利上昇アレルギーの克服には至らないでしょう。

改めて金利上昇アレルギーを振り返ると、
米国を始め先進国の金融引き締め姿勢、過度なインフレ期待、
これらによる米国を始め先進国の金利上昇(ドル高)に対し、
マクロ環境や企業業績は耐えられるのか?という疑心暗鬼を招いたことで、
先進国の株式市場がVIXショックも相まって悲鳴を上げ、
足元ではドル高進行も加速したことで物価にも影響する原油が崩れ、
新興国からの資金流出も加速した・・・というアレルギー反応でおます。

当然ながら足元と先行きのマクロ環境と企業業績が堅調であり、
それらを後押しするトランプ減税等の政策期待と共に、
政策を実行できる政治の安定という土台があれば、
金融引締めも正当化され、金利上昇(ドル高)にも耐えられるので、
3%超の米長期金利上昇(英欧も)、ドル高(円安、その他通貨安)、
米株高(日英欧株高)、原油も堅調(その他商品も)
という健全な金利上昇アレルギー克服ラリーとなりますが、
旬の騒ぎである貿易戦争が勃発することになると、
土台部分のマクロ環境と企業業績へダイレクトに影響を及ぼすので、
減税等の政策期待だけでは、金利上昇アレルギーを克服出来ないどころか、
せっかく堅調だった週末の米マクロ指標もアテにならなくなり、
マクロ環境と共に企業業績の先行き懸念も招くことになり、
結果的に金融引締めも正当化出来なくなるからこそ、
足元の本丸リスクは貿易戦争リスクだと言えます。

政治リスクが高まることについては、米国では政策期待が剥げ落ち、
欧州では伊とかスペインを含む南欧重債務国の政権政党次第では
財政悪化懸念を招くと共にEUとユーロからの離脱観測が高まることで、
ユーロ圏全体に負担を強いることになり、通貨ユーロの価値も毀損され、
当該国を含む南欧重債務国の債券が売られ(金利上昇、CDSも上昇)、
株も売られ、金融機関も悲鳴を上げると信用不安を招くことになります。
日本の政治リスクの高まりは、政策期待とデフレ脱却期待が剥げ落ち、
そもそものアベノミクス終了観測も高まりますけど・・・、
今のところ日米の政治は安定しており、欧州政治リスクについても、
個人的には低調なマクロ指標や欧州金融機関も含め危ういと思うものの、
市場は一時的であろうと落ち着いていると判断しているようなので、
本丸リスクとしては政治よりも貿易戦争でおます。
それに次ぐリスクとしては、
リスクマネーと物価に影響する原油動向、新興国の資金流出動向、
低調が続いている欧州マクロ指標動向、ドイツ銀行動向、
一時的にリスクオフ機運を高める中東とカリアゲの地政学リスク動向
といったところが要注意のリスクといったところです。

そして金融市場の動きに最も影響する需給環境についても、
足元では投機筋の米債券売り、ユーロ買い、油買いの各ポジが、
特に積み上がっていたところに、これに合わせたかのように、
米金利上昇アレルギーやリスクオフの債券買いを招くリスク、
欧州政治リスク(財政リスク)、原油の減産緩和観測が台頭すると共に、
これらのポジの巻き戻し&株売りとなり、週末は一服となりましたが、
昨日発表された29日時点の投機筋のポジを見ると、
未だに米債券買い、ユーロ売り(円売り、ポンド売り、結果的にドル買い)
原油売りの余地が大きい状況であり、米株の信用買い残も高水準なので、
週末でガス抜きの巻き戻しが一巡したとは思えないです。

日本株も為替市場が円安余地のある需給環境ではありますが、
依然として信用買い残は高水準、足元では外国人動向と一致するように
積み上がっていた裁定買い残の巻き戻し、空売り比率の高水準と共に、
日本株は先物主導ながら現物も売られておりましたが、
まだ売られる余地が大きい需給環境と言えます。
そしてドルと米債券次第ではありますが、
もし一昨年のように円が買い越しに転じるようだと、
国内企業の今期減益見通しが保守的という見方も円高と共に剥げ落ち
日本株が更に大きく売られることになってもおかしくないです。

ということなので、今週は需給面での動きにも一致する貿易戦争の行方が
最も重要なので、すでに関税措置を決めているEU、加、メキシコ、日本の
米国への報復措置動向(WTOへは提訴済なので報復措置の中身と発動)、
米国の輸入自動車関税動向も重要ですが、
4日に終える米中通商協議の結果、15日までに発表される予定の
対中関税品目リストと規模の公表結果が最重要でおます。

従って4日に終える米中通商協議の結果を含む本丸の貿易戦争リスクが、
(結果も含めて15日までに発表となる可能性もあります)
心配をよそに再燃しなかったり、市場がまさかの織り込み済みとなれば、
土台部分のマクロ環境は、欧州が低調、日本はイマイチながら、
牽引役の米国は利上げに耐えられるほどの堅調ぶりが確認されており
企業業績についても米国は減税効果もあり足元は堅調、欧州も堅調、
日本は減益見通しながら足元の円安が保守的との見方を強めているので
欧州リスク、原油動向、新興国の資金流出症状の注視は必要ながらも、
ガス抜きの巻き戻しにも屈しない商いを伴いつつ、
金利上昇(ドル高)アレルギー克服ラリーとなる可能性が高いです。

一方、貿易戦争リスクが払拭されないままの状況が続くと、
金利上昇(ドル高)アレルギーは克服出来たとは言えないので、
週末の金利上昇(ドル高)アレルギー克服にトライする動きが続いても、
米長期金利が3%に達した際にはアレルギーを発症する可能性が高く、
上値も限定的なので、米長期金利とドルの動向におっかなびっくりしながら
商いも膨らまない展開となり、遅かれ早かれ需給的な巻き戻しが再燃します。

ちなみに米長期金利がリスクオフのように過度な低下(債券買い)とならず
かと言って3%も超えず、ドルの上昇も一服となることで、
御都合解釈な適温相場となるパターンも十分にあり得ますが、、
そうなった場合も同様に上値は限定的であり、遅かれ早かれです。

そして貿易戦争リスクが再燃することになれば、
土台部分のマクロ環境と企業業績が足元で堅調であろうとも、
減税等の政策期待だけでは先行き懸念は払拭できず、
当然ながら金利上昇アレルギーも克服できなくなりますので、
需給の巻き戻しとも相まったリスクオフモードが再開することになります。

以上の通り、念のために4パターンのシナリオを書きましたが、
リスクオフが再開する可能性が最も高く、
週末の反発を含む現在の落ち着きは一時的なものに過ぎないので、
引き続き、慎重に構えておくのが無難です。

ただし今週の国内では政策イベントも多く、週末にはMSQを控え、
海の向こうも含めると週末にはG7サミットが控えており、
これら以外のイベントはこれといったものが少ない一週間なので、
トランプマンがG7での非難轟轟&批判を避けるために、
G7までは米中通商協議の結果も含む関税措置の発表を控え、
EU等からの報復措置も発動(発表)されず、貿易戦争が再燃しなれば、
先週末の反発モードと落ち着きが今週末まで続きそうではありますが、
貿易戦争リスクが払拭されない限り、一時的な反発に過ぎないです。

そしてお得意のトランプディールと今週の中間選挙の予備選を考えると、
あえてG7前に発表するのもトランプマンやり方として十分に有り得るので、
今週末目線で乗るにしても、くれぐれも御注意ください。

新興市場は、海の向こうと国内主力大型株がリスクオフにならなければ
代わりに資金が流入する可能性が高いですが、リスクオフとなれば、
リスク資産の象徴である新興市場が過度に売られるので、
海の向こうの貿易戦争等が落ち着くまでは、くれぐれも御注意ください。
ただし今週の国内では政策絡みイベントも多く、
週末にはメルカリIPOも控えているので、
政策やテーマ株等の個別が賑わう可能性はありますけどね。

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