不沈艦日記
マーケット展望、想定為替レート、月次売上データなどなど。
嵐と揺れが続く中で迎える週明け
おはようございます。

先週は木金と嵐のような動きとなった日本株に端を発し、
海の向こうではそもそも不穏な動きだったものが噴き出しつつありますが、
結局は何ショック?ほどではないものの何嵐?なのやら・・・

キリッと需給要因だとか、株式市場目線と国内目線だけで
SQだからとか国内企業決算の一巡がきっかけと言えばそれまでですが、
海の向こうもザワついており、需給の巻き戻しだった523ショックですら
別名バーナンキショックと言われた通り、ハゲおやじがきっかけですから
今回の嵐の明確なきっかけが見当たらないのは不気味です。

今のところは燻っていた海の向こうを中心としたリスクも意識されつつ
週末の米国市場では税制改革の不透明感ともされております。

現実は米国が市場の中心であり、米国が屁をこけば日本を含め世界が・・
というのも事実なので、結果的に米国が震源地&きっかけだとは思いますが
日本に端を発した動きでもあり、週末のシカゴ日経平均先物は、
為替の動きの割に22465円と海の向こう以上に嵐が続いたまま・・・
日本株は世界の景気敏感株だから毎度のことではありますけど、
日本は先進国の中で唯一の金融緩和継続中の国だけに、
今回の嵐は国内要因&日本だけなのかという一抹の不安もあります。

まぁとにかく、ネーミングとなるようなきっかけがハッキリしないからこそ
ショックにもならず嵐も続かず、単なる押し目で終わる可能性もありますが
続くようであれば、いずれはきっかけとか要因が明確になるでしょう。

そして不気味であろうとも、現状は嵐が収まったわけではないので、
まずは嵐が収まるのか、さらに拡大するのかどうかです。

ということで、まずは現状認識として、
小難しい背景も交えた週末状況から見ていくと・・・
(長ったらしいので、面倒な方は★印以降から御覧ください)

恐らく米国が嵐の震源地であり、税制改革懸念が根底にあるとは思いますが
週末の米国市場では、債券が短期債・2年債だけでなく、
低迷していた10年債利回りが4月と7月と水準近辺である
2.4%まで上昇しており(債券安)、4月と7月だけでなく直近でも
この水準になると株価の上値が重くなっているので、
米株がこの水準の長期金利にも屈することなく上昇し、
長期金利が昨年末の水準を目指すと共に株高も続けば(ドル高も)、
昨年末のようなトランプラリーと言えますが・・・

残念ながら週末の米株は、小幅なマチマチの動きとなり、
ダウが商いを増しての小幅続落、SP500とナスは商い減のほぼ横ばい
銀行株も金利上昇には反応せずに軟調、VIX上昇、
原油は金の急な大幅反落に追随するように売られて反落、
というように昨年末のようなトランプラリーとは言えない週末の動きです。

水準的には米株、米短期債&2年債の利回り、原油、金は、
昨年末水準を超えており、特に米短期・2年債利回りと米株は、
昨年末水準を大きく上回っている一方、
肝心の米長期金利とドルは昨年末水準には遠く及ばないままですから、
動きだけでなく水準的にも昨年末のようなトランプラリーとは言えないです
さらに米株は企業決算が堅調に一巡したものの数値的には割高なままです。

以上の通り、米国は昨年末のようなトランプラリーとは言えないのですが、
週末には長期金利が上昇したので(米債券安)、
果たしてその要因は・・・

 ・税制改革が実現しても米財政懸念での長期金利上昇(米債券安)なのか
 ・金融引締めだけを見込んだ長期金利上昇(米債券安)なのか
 ・そもそも先行きはともかく足元の米ミクロ(企業業績)は堅調であり
  足元の米マクロ環境も物価と賃金以外は堅調であり、
  足元の原油高によって金融引締めの足枷だった物価の鈍化懸念が和らぎ
  さらに税制改革が目先では難航してもいずれは実現するのであれば、
  マクロミクロの先行きには明るい追い風になるんやで!
  というポジティブな長期金利上昇(米債券安)なのか
 ・単に昨年末の様な売り越し状態を目指す需給の巻き戻しなのか

足元の需給環境を見ると、米債券は昨年末の様な売り越しではなく
未だ買い越しが続いているので、単なる巻き戻しとも言えるのですが、
昨夜はドル高ではなくドル安、米株もマチマチのままですから、
少なくともポジティブな長期金利上昇(米債券安)とは言えないです。

そしてドル、米株、原油、金の足元の需給環境を見ると、
米株の買い越しは今年最高水準近辺、
ドルは昨年末のような買い越しではなく、依然として売り越し状態が継続
原油の買い越しは今年最高水準近辺、金の買い越しも高水準なので、
週末の動きはドル以外の巻き戻しが始まったとも言えます・・・

 (ちなみにユーロの買い越しはやや減少しているものの高水準、
  ポンドは依然として買い越しに転じたまま、
  円の売り越しは今年最高水準近辺)

このまま週末のようにドルの巻き戻しだけが起きなければ、
米国はトリプル安という悪い意味でのミラクルですけど、
ドルも追随して需給に則した巻き戻しが起きることになると
米債券安(米金利上昇)ドル高、米株安、原油安、金安
という一斉の巻き戻しとなりますので、
単純にガス抜き終了と共に落ち着けばいいのですが、
いつも書いている通り、物価とか先行きを無視したまま(賃金も)、
金融引締めを強行することで、マネーの逆流が起きているとも言えるので、
この動き自体が実体経済への悪影響も大きくなり、
無間地獄とは言いませんが、得体の知れない厄介な動きとなります。

だからこそマネーの逆流(一斉巻き戻し)ではなく、
何らかの悪材料で市場がリスクオフモードとなることで、
米債券高(米金利低下)ドル安(円高)となり、
結果的に米債券とドルの巻き戻しは後回しとなり
水準的にも需給面でも過熱している米株、原油、金が
先んじて巻き戻しとなり、これらのガス抜きが終わった後、
米債券とドルの巻き戻しが始まれば、
昨年末の様なトランプラリーになる理想的な展開が期待できるので、
ショックなり嵐なりが起きるにしても、
マネーの逆流(一斉巻き戻し)ではなくリスクオフが好ましいです。
リスクオフならば、要因もわかりやすいとは言えますからね。

かといって、マネーの逆流(一斉巻き戻し)やリスクオフでもなく
足元の嵐は単なる押し目だったということで、
昨年末のトランプラリーのような展開になったとしても、
先にも述べた通り、市場の期待通りの米税制改革が成立するか、
物価と賃金の鈍化懸念が払拭されない限り
マクロミクロ共に足元ではなく先行き懸念は消えず、
過熱している足元の需給環境からも、遅かれ早かれ巻き戻しが起きるので、
賞味期限の短い(上値の限定的な)トランプラリーとなるだけです。

そして他にもカリアゲマン情勢、サウジを巡る中東情勢、
カタルーニャや英国等の欧州政治情勢、ベネズエラ情勢等
燻ったままのリスクオフ材料も満載です。

ちなみにベネズエラですけど、通貨と債券はとっくに破綻してますが
不自然過ぎる破天荒な株高を演じていた株価もついに崩れているどころか
100分の1になっており、えげつないトリプル安に・・・(笑)
今週は債権者を招いての良からぬ協議も行われ、米国も激おこ状態なので、
意外なダークホースリスクになるかも知れないです。

他の新興国については、それなりに嵐のような動きもありますが、
かつての様な危険水域には程遠く、ブラジル始め南米諸国とメキシコの株安
フィリピン、トルコ、南アの通貨安が目に付くくらいです。
週末に金が急落したので、南アに何かあるのかも知れませんけど・・・

サウジ情勢に揺れている中東市場は株、債券、通貨共に、
実際のリスクを反映した危うい動きになっているので要注意と言えます。

新興国の親玉である中国は、胡散臭いリスクは満載であり、
当局の手が入っているインチキ管理相場ではありますが
動きだけは世界の中で最もまともであり(債券安、人民元高、株高)
株価も過熱しているほどではない堅調ぶりです(笑)
真の姿は誰にもわからない習隠蔽(近平)の独裁国家なので
中国は市場がザワついてから警戒するしかないです。

欧州市場の週末状況は、足元の下げ幅だけを見れば、
日本以上に嵐が吹いている感じもありますので(商いもそれなり)、
政治リスクと金融政策動向は要注意ではあります。
(企業決算が日米よりも軟調だったというのはあります。)

そして我が国は欧米に比べると最も政治が安定しており、
先進国の中で唯一の金融緩和を継続しており(悪い意味もある)、
メガバンクを残して発表が一巡した足元の企業決算も、
堅調に終えましたが(EPS上昇、数値的には日本株の割高感はない)
足元のマクロ環境は欧米に比べるとイマイチであり、
足元の需給環境も先に述べた円売りポジの高水準以外にも、
裁定買い残は約3兆円まで急速に積み上がっているので、
マクロ・ミクロの足元ではなく先行きに対する期待や確信となれば、
週末時点でも続いてる嵐が収束するとの見方も出来なくはないですが、
あくまで震源地が日本であるならばの話なので、
実際の震源地の可能性が高い米国を始め海の向こうの嵐が収まらないと
日本だけ嵐が収まることはないでしょう。



以上が週末時点における国内外の状況ですが、
少なくとも嵐が収まったとは言えない上に需給面での過熱感もあるので
欧州よりも実際の震源地の可能性が高い米国市場が、
2.4%を超える米長期金利上昇(米長期債安)と共に、
ドル高、商いの伴った米株高、原油高(高値維持でも)
という昨年末のようなトランプラリーが「継続」するか、
せめてドル高を除いた以上の動きが「継続」し、
我が国も理想は円安・商いの伴った反発が「継続」することですが
せめてバンジージャンプと同様、揺れが収まるまでは
嵐が収まったとは判断しない方がいいです。

現時点では異常な動きが始まった9月の水準までとは言いませんが、
それくらいの巻き戻しがあってもおかしくないくらいの目線で、
構えておくに越したことはないです。

そんな嵐が収まるきっかけとなったり、
火に油を注ぐきっかけになりそうなものとしては、
米税制改革動向(ロシアゲート騒動も含む)、日米英欧金融政策動向、
カリアゲマン動向、サウジ情勢(原油動向も含む)、
スペイン・カタルーニャと英国等の欧州政治情勢、ベネズエラ情勢、
国内外のマクロ指標(特に物価と賃金、消費)と企業決算なので
これらに関わる今週のイベントとしては以下の通りです。

 継続中 税制改革動向(下院案は23日採決目指す、上院は頓挫中)
     ロシアゲート問題、カリアゲマンリスク、サウジを巡る中東情勢
     カタルーニャ情勢、ブレグジット交渉動向、イタリア銀行問題
     ベネズエラ債務問題

 13日 9月工作機械受注速報値 みずほ始め国内企業決算
    ASEAN首脳会議(10-14日)、安倍首相と李・中国首相が会談
    日米韓合同軍事演習(11-14日)
    メイ英首相演説(ブレグジット問題)
    フィラデルフィア連銀総裁講演、コンスタンシオECB副総裁講演
    黒田日銀総裁講演、OPEC月報

 14日 5年債入札、三菱UFJ、三井住友等の国内企業決算一巡
    ASEAN首脳会議閉幕、ASEANプラス3(日中韓)首脳会議
    東アジアサミット、日米韓合同軍事演習終了
    トランプマンのアジアツアー終了
    中国10月経済統計、IEA石油市場月報
    独7-9月期GDP、英10月消費者物価、
    独&ユーロ圏11月ZEW景況感調査、シカゴ連銀総裁講演
    イエレンFRB議長、ドラギECB総裁、カーニー英中銀総裁、
    黒田日銀総裁らが討論会参加、ホームデポ決算

 15日 45日前ルール該当日、7-9月期GDP・速報値、10月訪日外客数
    シカゴ連銀総裁講演、米週間原油在庫
    米10月消費者物価、米10月小売売上高、米11月NY連銀製造業
    ターゲット、シスコシステムズ決算

 16日 20年債入札
    欧州10月新車販売、ユーロ圏10月消費者物価・改定値
    カーニー英中銀総裁講演、コンスタンシオECB副総裁講演
    米11月フィラデルフィア連銀製造業、米10月鉱工業生産
    米11月NAHB住宅市場指数、
    ダラス連銀総裁講演、ブレイナードFRB理事講演、
    ウォルマート、ベストバイ、Aマテリアルズ決算

 17日 安倍首相の所信表明演説
    ドラギECB総裁講演、独連銀総裁講演、EU財務相理事会
    米SQ、米10月住宅着工件数

 18日 新月、中国10月住宅価格

以上の通り、トランプマンのアジアツアー終了、日米韓合同軍事演習終了
ASEAN首脳会議閉幕、国内企業決算一巡、中国経済統計、
IEA石油市場月報、独GDP、独・ユーロ圏のZEW調査、英消費者物価
日米英欧中銀総裁揃い踏みの討論会が重なる14日、
我が国のGDP、米消費者物価、米小売売上高、米NY連銀製造業が重なり
45日前ルール該当日でもある15日、この2日間がヤマ場と言えますし
個人的には15日の米消費者物価と米小売売上高が注目ですが、
未だ嵐が収まったとは言えず、継続しているリスクもありますので
あくまでイベント的なヤマ場としては14日と15日というだけで、
いつ動いてもおかしくない状況です。

ということで、明日のスタンスとしては・・・

持ち越し短期勝負の方については、小難しい背景等は置いといて、
市場の動きで判断するならば、以上に書いた繰り返しになりますが、
米長期金利2.4%を超える(米長期債安)と共に、
ドル高、商いの伴った米株高、原油高(高値維持でも)
という昨年末のようなトランプラリーが「継続」するか、
せめてドル高を除いた以上の動きが「継続」し、
我が国も円安・商いの伴った反発が「継続」するか
せめてバンジージャンプと同様、揺れが収まるまでは
嵐が収まったとは判断せず、その日限りの勝負に留めておきましょう。

腰を据えて構えている方は、ここまで上げて来た余裕もあるでしょうから、
週明けの動きを見極めてから判断すればいいのですが、
明日の時点で商いの伴った株安・円高が続くようであれば、
さっさと一旦は撤退することをオススメします。

新たに腰を据えて参戦する方については、
持ち越し短期勝負の項で書いた通りの状況になるまでは、
少なくとも腰を据えて新たに参戦する必要はないです。
国内企業決算も14日で一巡するので、
嵐が収まるまでは、銘柄選別する時間に費やせばいいと思うばかりです。

新興市場については、海の向こうと主力大型株に嵐が吹く中、
マザは週末まで4日続伸、9-10日はそれなりの商いも伴っており
週末のJQも薄商いながら反発したりと、嵐の外にいる感だけでなく
主力大型株に代わっての資金流入も期待出来る動きなので
シンプルに商いの伴った上昇が継続するのであれば、
割り切って勝負するのもありですが・・・
先にも述べた通り、海の向こうと主力大型株の嵐は収まっておらず、
明日以降も嵐が続くようだと、新興市場も無視はできないので、
くれぐれも御注意ください。

そして新興市場とも連動性の高いFANGを始め米欧日のハイテク株
新興市場とハイテク株には重石となる足元の債券安(金利上昇)動向、
新興市場(個人)とも密接な任天堂とハゲバンクの動向、
他にも新興市場と一括りにされがちなHY債や仮想通貨動向、
特にバブルとしか思えないビットコイン動向は注視しておきましょう。

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コメント

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米国債
米国人 | URL | 2017-11-12-Sun 11:13 [編集]
こんばんは。先週あたりから米国10年債が非常に不自然な動きしており、本当に理由が不明ですね。利回りが節目の2.4 超えており日経は円安万歳となるのか、NYが崩れるのか重要な局面ですね。10月に上げすぎたせいで、北への制裁が早まったような気もしていますが、その先取りでしょうか。ドル買い円買いが一緒に来るような気もしますし。
米国人さんへ
マーケット番長 | URL | 2017-11-12-Sun 21:07 [編集]
> こんばんは。

こんばんは。

> 先週あたりから米国10年債が非常に不自然な動きしており、本当に理由が不明ですね。
> 利回りが節目の2.4 超えており日経は円安万歳となるのか、NYが崩れるのか重要な局面ですね。
> 10月に上げすぎたせいで、北への制裁が早まったような気もしていますが、その先取りでしょうか。
> ドル買い円買いが一緒に来るような気もしますし。

債券安方向の巻き戻しが起きて2.4%をあっさり超え、
年末水準まで上昇すると共に米株高となればいいのですが、
株安になると最悪のドル買い円最強買いも覚悟しなければならないですね。
サウジ
米国人 | URL | 2017-11-13-Mon 02:36 [編集]
こんばんは。来週以降も下げるかは分かりませんがサウジショックとでも命名される可能性高いのではないですかね。税制改革は大増税とセットになってることとか財政赤字大きくなることから原案で通るわけないと思います。敢えて市場は無視してるのか12月から来年の夏下げネタの候補かと思います。
米国人さんへ
マーケット番長 | URL | 2017-11-13-Mon 08:19 [編集]
> こんばんは。

おはようございます。

> 来週以降も下げるかは分かりませんがサウジショック
> とでも命名される可能性高いのではないですかね。

それは私には何とも言えず、そうですかとしか言いようがないですw

> 税制改革は大増税とセットになってることとか財政赤字大きくなることから原案で通るわけないと思います。
> 敢えて市場は無視してるのか12月から来年の夏下げネタの候補かと思います。

下院案が実現するとは誰一人思ってないでしょうけど
いずれは妥協するにしても減税はやるんでしょうね。
それの人質に債務上限問題でドタバタするかもしれないですね。

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