不沈艦日記
マーケット展望、想定為替レート、月次売上データなどなど。
巻き戻しのオイニー漂う今週
おはようございます。

週末に発表された米6月小売売上高と米6月消費者物価は低調な結果となり
先々週に発表された雇用統計を始めとする経済指標が堅調だったとは言え
FRBの本業である物価の鈍化が続き(日英欧も含む世界的な鈍化傾向)
米GDPの7割を占める個人消費は足踏みが継続中(車も住宅も)・・・

だからこそイエレンおばさんの強気な景気見通しには釈然としませんが、
金融政策については薬抜き(バランスシートの縮小)姿勢を維持したものの
利上げ姿勢は年末にあと1回やる程度に緩めたとも言えますので、
身体(米経済)自体は健康なので薬抜きには耐えられるものの
健康ながらフィジカルの水準が低いまま(物価が伸びないまま)では、
負荷を増やすと(利上げすると)身体も壊れるという理屈なのか・・・

米個人消費を見る限り、小売売上高の足踏みが継続しているのはもちろん
車や住宅、百貨店の業績や売上(高額消費)の低調ぶりは、
明らかにすでに行った利上げの副作用とも思えるだけに、
身体自体(米経済)も健康とは思えない・・とまでは言いませんが
少なくとも今は筋肉痛で悲鳴を挙げているとしか思えないのですが・・・

まぁ私がケチを付けたところで、個人消費は小売売上高の結果よりも、
アマゾン等のネット販売が旺盛だからとか個人消費支出は伸びていたり、
ポジティブな見方もありますし、物価の鈍化に対する見方についても、
大きな要因とされている原油は足元で回復傾向なので、
物価の鈍化は一時的というポジティブな見方もあります。

そして週末の米金融機関を皮切りに本格化する米企業決算が好調であれば
米経済のミクロ面での健康ぶりを裏付けることにはなりますので、
そうなると本来ならば米国の舵を握るトランプ船長が迷走しようとも、
船自体は自動操縦というか、民間とFRBの力だけで、
順調に航行しているという理屈にはなりますけど・・・(笑)

以上の通り、週末の米小売売上高と米消費者物価の低調な結果を受けて
私のイマイチ悲観的な見方とは逆のポジティブ解釈もあり、
イエレンおばさんのバランスの取れた金融政策という見方もありますが
米国市場の動き(反応)としては・・・

米債券市場は薬抜きよりも利上げは遠のいたとネガティブに反応し、
米債券高(米金利低下)となっており、
ドルも同様にネガティブなのか、単に米金利低下に反応したのか、
英欧の堅調なマクロ経済を裏付けとした引き締め観測との対比なのか
ドル安(ポンド>円>ユーロ>新興国>ドル)となっておりますが・・・
米株式市場だけは利上げ観測後退(米金利低下)とドル安は、
米株にとって負荷軽減やで!
という薬漬け(金融緩和)時代の御都合解釈かのように、
ダウとSP500は最高値を更新し、
米金利上昇(米債券安)と共に売られていたハイテク株は、
米金利低下(米債券高)と共に買われてナスダックも上昇となり、
米株は続伸して終えております。
VIX指数に至っては、1993年12月以来となる
24年ぶりの低水準というお気楽ぶりです。

つまり米債券安(米金利上昇)ドル高・米株高
という健全なトランプラリー(リスクオン)ではなく
米債券高(米金利低下)ドル安・米株安というリスクオフでもなく、
悲観モードな米債券とドルに対して、
御都合解釈モードというか楽観モードな米株高
という楽観と悲観の入り混じるチグハグモードではあります。

繰り返し書いている通り、チグハグモードの際は、
米株と原油が揃い踏みで下げない限り、市場の空気は悪くならないので
緊張感の無いお気楽ぶりも頷けるのですが、
米国は先頭を切ってすでに利上げへ踏み切っている国ですから、
薬漬け時代のような御都合解釈なチグハグモードは、
日欧ならばまだしも、長続きするとは思えず、
米株の商いが薄いことからも窺えます(日英欧も薄商い)。

だけにVIXの24年ぶりの低水準というのは、
かつてのようにお気楽ぶりがピークを迎え、
これから揺り戻し(波乱)が起きることを示唆しているとも言えますし、
見方を変えれば、米債券高ドル安を好感する御都合解釈な米株高は、
米マクロ環境が低調だからこそのお薬(金融政策)頼みの解釈であり
米マクロ環境が低調なままで米債券安・ドル高になると、
米株は悲鳴を挙げるとも言えますので、これから本格化する米企業決算が
米マクロ環境の低調ぶりをカバーできる堅調な結果となれば、
米株の悲鳴も挙がらず、トランプラリーが再開するとは言えます。

つまり薄商いだったことからも、
御都合解釈なチグハグモードが長続きするとは本気で思っておらず、
足元では米株の割高感も際立ちつつありますので、
米企業決算を見極めようという空気は漂っており、
決算が一巡するまでは、米バリュー株の決算がドイヒーだったり、
原油が大きく崩れない限り、チグハグモードが続きそうですが、
決算が一巡するまでに(特に米ハイテク株決算)、
米債券安(米金利上昇)ドル高となった際に、
ハイテク株を中心に米株が悲鳴を挙げないか?という懸念はあります。

ちなみに週末時点の欧州市場は、
米債券高に引っ張られて欧州債券高となったもののユーロ>ドルとなり、
欧州株も薄商いでのマチマチだったので、
今週に引き締め観測も漂うECB理事会を控えているからなのか、
明確な動きではないと言えます。

英国市場についても利上げ観測が漂っていることで、
米欧債券高には引っ張られず英債券安(金利上昇)と独自の動きとなり、
ポンド最強高の動きにもなっており、
英株はポンド高が重石のように続落して終えておりますが、
薄商いなので、これまた明確な動きは見られないと言えます。

我が国ついては、米国の本気とは言えないお気楽ぶりのせいなのか
御都合解釈なドル安円最弱とはならず、円はポンドに次ぐ強い動きとなり
さらにSQという需給イベントを通過したこともあり、
シカゴ日経平均先物は20040円と軟調に帰って来ており、
米欧に比べるとやや軟調ではあります。
もしかしたら安倍ちゃんマンの支持率低下が影響しているかも・・・

以上が週末時点での国内外の状況ですが、
11日時点ながら足元の需給環境(各ポジション)も合わせて見ると、
米債券買いはやや減ったものの未だ高水準であり、
ドル買いは今年最低水準、ユーロ買いは今年最高水準、
ポンド売りは今年最低水準、円売りは15年8月以来の高水準、
米株買いはほぼ今年最高水準、シカゴ日経平均先物買いはほぼ今年最高水準
原油買いは今年最低水準近辺(米大統領選前の水準よりはやや多い)
ということからも、需給的には原油はどちらにも動く余地があるものの、
米債券安、ドルorポンド高、ユーロ安、米株安、
という巻き戻しが起きる余地が高い状況ではあります。

我が国としては国内では裁定買い残や信用買い残は過熱には程遠く
黒ちゃんの忖度オペ効果(金利の抑え込み)が続く限り、
豪快に積み上がった円売りポジの巻き戻しの歯止めになるとも言えますが
現状の国内環境としては、黒ちゃん効果と来週からの国内企業決算への期待
これら以外は不穏な政治や欧米よりも低調なマクロ環境からも
海の向こうを押し返すほどの力は国内にはないので(商いも低調です)
残念ながら海の向こう次第という現状であり
海の向こうが週末時点のチグハグモードな米債券高が継続すると、
巻き戻しの円高が加速し、日本株だけが売られる可能性もあると言えます

とりあえず小難し背景は除き、以上のような需給環境だけから見れば、
トランプラリーとなるには米株高の余地が限られており(日本株高も)、
週末の様なチグハグな米債券高・ドル安・米株高の余地も限られますが
限られていようとも米企業決算見極めを理由に(米株の割高修正期待も)
チグハグモードで需給的な歪みをほぐしながらとなるのか・・・
米企業決算やECB理事会、日米を始めとする政治等をきっかけに、
一気に巻き戻しが起きるのか・・・
それとも米国での一部の低調な実態面(日本は欧米よりも低調)、
日米英欧共に鈍化傾向の物価、それでも海の向こうの金融引き締め路線
やや台頭している政治リスク、企業決算を前にした米株の割高感、
そして足元の需給環境、これらを意識した巻き戻しとなるのか・・・
やはり巻き戻しの可能性が高いと言わざるを得ないです。

そんな国内外の現状を踏まえた上で今週としては、
まずこれらの現状に関わる今週のイベントとしては・・・

 ・週を通して

  米企業決算
  トランプマンと安倍ちゃんの政治リスク動向(地政学リスク含む)
  米議会でのオバマケア代替法案の審議動向
  米ハイテク株、我が国のハイテク株と新興市場動向

 ・17日 (日本休場)

  中国4-6月期GDP&6月経済統計、英・EUブレグジット協議再開
  米7月NY連銀製造業景気指数、ネットフリックス決算

 ・18日

  経済財政諮問会議、安倍ちゃん出席の閉会中審査の日程協議
  中国6月住宅価格、豪準備銀行金融政策会合議事要旨
  英6月消費者物価、独&ユーロ圏7月ZEW景況感調査
  米7月住宅市場指数、米決算(IBM、J&J、GS、バンカメ等)

 ・19日

  政労使会談、7月月例経済報告
  米6月住宅着工、米週間原油在庫、米中包括経済対話
  米決算(モルスタ、アメックス、アルコア等)

 ・20日

  日銀金融政策決定会合2日目、SoftBank World2017(21日も)
  6月貿易統計、6月半導体製造装置販売高、安川電機決算
  ECB理事会
  米7月フィリー指数、米新規失業保険、米7月CB景気先行指数
  米決算(マイクロソフト、イーベイ、VISA、トラベラーズ等)

 ・21日

  米欧SQ、GE決算

 ・23日(新月)

といったところなので、今週は米企業決算も経済指標もまんべんなく続き、
日米の政治リスクの燻りやオバマケア代替法案の審議も続くので
週明けからのイバントはどれもきっかけとなり得るのですが、
ヤマ場と言えるほどに重なっているのは、
金融政策イベントで黒い銀行会合とドラギナイト(ECB理事会)
経済指標では我が国の貿易統計と米国のフィリー指数とCB指数、
決算では我が国の安川電機と米国のマイクロソフト決算、
これらが重なる20日が今週の大きなヤマ場と言えます
さらに21日は米欧SQ、23日は新月、
来週からは米国だけでなく国内企業決算も本格化するので(欧州も)
20日以降がヤマ場と言えます。

従って今週としては、イベント的なヤマ場としては20日以降ですが、
先に述べた週末状況や偏りの見られる需給環境を加えると、
週を通して満遍なく続くイベントや主役の米企業決算、
燻る政治等のリスクをきっかけにいつ動いてもおかしくない状況なので、
今週も市場の動きに合わせて動くしかないのですが、
先にも述べた通り、トランプラリー(リスクオン)となる可能性は低く
週末のような御都合解釈なチグハグモードが長続きする余地は、
せいぜい20日のヤマ場くらいまでの限定的なものでしょうから、
巻き戻しになる可能性が最も高いと見ており、
遅くとも20日のヤマ場以降には起きそうです(特にECB理事会)。

ということで三連休明けとなる明日のスタンスとしては・・・

持ち越し短期勝負の方については、明日は三連休明けなので、
週明けの海の向こうがトランプラリーで帰って来た上に、
我が国も円安株高となっていれば(出来れば商いも伴った)、
日米ハイテク株と新興市場、我が国の債券の黒ちゃん効果を横睨みしつつ
20日のヤマ場も意識しつつ、リスク覚悟で勝負すればいいです。
週末のようなチグハグモードならば、繰り返し書いている通り、
基本的には米株と原油が揃い踏みで崩れさえしなければ、
20日のヤマ場を意識しつつ、リスク覚悟で勝負すればいいですが、
チグハグモードだと円だけが巻き戻すリスクが高い需給環境ではあるので
円高が際立つようであれば、日本だけが株安となる可能性はありますので
くれぐれも御注意ください(特に夜間は)。
そして巻き戻しが起きていれば、ガス抜きが終了するまで・・・、
いや、少なくとも20日のヤマ場まではその日限りの勝負に留めましょう。

腰を据えて構えている方については、
現状は余裕もあるでしょうから、小難しい背景よりもシンプルに、
海の向こうが先に述べたリスクオフの動きとなり
我が国は商いの伴った株安円高の動きが継続するまでは、
王者の風格で構えておけばいいのですが、
いつ巻き戻し(リスクオフ)が起きてもおかしくない現状だということは
頭の片隅には入れておきましょう。

新たに腰を据えて参戦する方については、
参戦判断としては持ち越し短期勝負の方と同様、
撤退判断としては腰を据えて構えている方と同様でいいのですが、
来週から国内企業決算も本格化することも考慮して参戦しましょう。

新興市場については、先週半ばから良からぬ噂が漂い始めたところに
週末にはゲーム関連の主力の一角に香ばしい決算が発表されたことで
決算シーズンを前に今さらながら業績への警戒モードも高まりそうであり
旺盛すぎる定番の日替わり定食な物色だけではなく、
最近顕著だったそんなもんまで食うのか?そもそも高すぎないか?
という見て見ぬフリをしていたものにも視線を向けつつあり、
きっかけは小さかろうと連想ゲームは大きくなりそうな空気でおます。

そもそも足元の新興市場の動きを見れば、
週末が薄商いでの小幅反落という程度ではありましたが
6月23日の大幅安以降、下げ局面では商いが増加、
上げ局面では商いが減少(値幅も)という下げゴリモードは継続中なので
商いを伴った上昇が「継続」するまでは警戒モードを維持し、
慎重に立ち回るというシンプルな見方をしておきましょう。
先にも述べた通り、海の向こうだけでなく国内の主力大型株についても
チグハグモードならば、代わりに新興市場へ資金も流入しますが、
目先は巻き戻しのリスクオフとなる可能性も高いので
そうなると新興市場は別世界とも言ってられないですからね。

とりあえず世界的なリスクオフとならず、連想ゲームも拡大しなければ、
新興市場はかつての様に主役の柱が一本だけではない裾野の広さもあるので
ウォッチして値動きを把握したテーマ株等ならば参戦するのも自由ですが
くれぐれも良からぬ連想ゲームの拡大動向はもちろんのこと
日替わり定食な柱(テーマ)の移り変わり、
日米債券安(金利上昇)と共に売られていた日米ハイテク株(仮想通貨も)
新興市場(個人)とも密接な大型の任天堂、ハゲバンク等、
これら債券も含めた動きを注視しながら立ち回りましょう。

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コメント

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なぜか
米国人 | URL | 2017-07-18-Tue 10:42 [編集]
こんにちは。 今日はビットコインも米国も無視して若干下げています。特に理由ないんですけどね。SQはいつもオプションと先物の建玉見て推測をするのですが明らかに先週高音狙いから急に抑えた、むしろ売りに転じた感じがGSもアムロもしてます。またNY乱高下するかもしれませんが今までのウップンを見晴らすような動きを見たいものです。
米国人さんへ
マーケット番長 | URL | 2017-07-18-Tue 11:18 [編集]
> こんにちは。 今日はビットコインも米国も無視して若干下げています。特に理由ないんですけどね。
> SQはいつもオプションと先物の建玉見て推測をするのですが明らかに先週高音狙いから急に抑えた、
> むしろ売りに転じた感じがGSもアムロもしてます。

こんにちは。
見るところは人それぞれなので、そうですかとしかお答えのしようがないですが
緊張感が無く、活気もないのはカンベン願いたいものです。

> またNY乱高下するかもしれませんが今までのウップンを見晴らすような動きを見たいものです。

それなりに巻き戻す余地は大きいとは思いますので
できれば決算までにガス抜きして頂けるとわかりやすいのですがと思う・・願うばかりですw

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