不沈艦日記
マーケット展望、想定為替レート、月次売上データなどなど。
表面的な落ち着きと継続しているリスクオフの動き
おはようございます。

週末に開催された油カタブラ会合(OPEC総会)では、
減産緩和(小幅増産)が決まったものの、大幅な油高ブラに・・・

足元では投機筋の原油買いポジが減ったとは言え高水準であり、
ドルは週末に下げたものの高止まりしており、
マクロ的にも貿易戦争の影響であったり、
中間選挙を睨んだトランプマンの油高クレームからも、
発表直後だけの油高ブラという気がしなくもないですし、
このまま上昇が続いたとしても、上値が限定的だとは思うのですが・・・

そんな事情はともかく原油が堅調であれば、
リスクマネーの潤滑油になるのも事実なので、
週末の米株はナス、半導体SOX、ラッセルが続落したものの、
40年ぶりの9日続落となるのか注目されたダウは、
原油高によるエネルギー株高が寄与して反発し(SP500は小幅反発)
米株の動きとしてはマチマチ、VIXは低下しており(金も横ばい)、
緊張感に欠ける動きではありますが・・・

ついにリスク資産色の強いナスやラッセルが崩れ始めた感もあり、
(リスク資産筆頭の仮想通貨は暴落中)
しかも週末の米株は鬼の様な大商いであり、
ダウやSP500よりもナスの商いが膨らんでおります・・・
毎日のことではありながら引けに膨らんでいるので、
OPEC総会とかトランプマンのEUへの自動車関税への言及、
といったリスク要因よりも、
単にリバランス等の需給要因が強いとは思いますが、
商いとしてもよろしくないマチマチな膨らみっぷりです。

そんな動きも商いもよろしくない感じのマチマチだった米株に対して、
米債券は長短金利小幅低下(2年債利回り横ばい、イールドカーブ縮小)、
為替市場ではドル安となり、リスクオフ気味な動きなのですが、
原油高、米株はマチマチながらVIXが低下、金は横ばいとなり、
緊張感は薄く、適温相場と言えなくもない動きです。
当然ながら金利上昇を伴った健全なリスクオンとは言えません。

ちなみに週末の欧州市場は、トランプマンの自動車関税爆弾はあったものの
イタリア政権のユーロ離脱疑惑の必死のパッチな火消しであったり、
今さらなギリシャ支援卒業、欧州マクロ指標が堅調と言う謎の解釈もあり、
ユーロ急伸、英・欧・伊・南欧金利が低下というチグハグ、
ドイツ銀行が未だ最安値近辺という危うさもありながら(週末は反発)、
英欧株式市場は反発となったのですが薄商いだったので、
米株の大商いの要因がイマイチわからないとも言えます。
(週末の日本株も場中は薄商いながら引けのリバランスで商いは増加)

そして我らが日経平均先物はドル安で円安が進まなかったこともあるのか
忖度してダウとナスの間を取ったのか(笑)
ほぼ横ばいの小幅安で終えており、まだまだ安心できない動きでおます。

足元で資金流出の続いている新興国は、
週末はドル安・原油高が追い風になったのか反発しておりますが、
トルコ、ブラジル、メキシコ、フィリピン、インドネシア、ハンガリー、
といったチームトリプル安の症状は継続しており、
他のアジア新興国、ロシア、ドバイの危うさも継続していると言えます。
(ベネズエラとアルゼンチンは論外ということで)

米国と貿易戦争を繰り広げている新興国の親玉でもある中国は、
足元のマクロ環境の鈍化と貿易戦争懸念と共に危うい株安が継続中ですが、
人民元安については、日々の人民元レート設定だけでなく、
今週は預金準備率の引き下げ観測(リーク?)もあり、
実際に金利は低下(債券高)しているだけに、
足元の人民元安は資金流出によるものと言うより、
米国への対抗手段としての意図も感じる人民元安ではあります。
今週はAIIB会合や一帯一路サミットも控えており、
メンツの為にもチャイナショックなんて起こすわけには行かないので、
当局が自由化されてない市場をフル活用しそうではあります。
(これをポジティブと捉えていいのかはお任せしますw)

以上が週末時点の市場の動きを中心とした状況ですが、
今週の国内外の燻ったリスクを含む焦点は以下の通りです。

 海外 貿易戦争動向
     ・影響確認としての米経済指標(特に5月分以降のマインド系)
    米金融政策(金融引締め)動向
     ・引締めの影響確認としての米経済指標(特にハードデータ)
     ・金融引締めによる金利動向確認となる米債入札(26-28日)
    金融引締めを視野に入れながら鈍化傾向である欧州経済指標の確認
    中国と新興国の資金流出動向
     ・中国が今週にも預金準備率引下げとの報道も
    OPEC総会明けの原油動向(商品動向も)
    イタリア政治情勢

 国内 貿易戦争動向
    鈍化傾向が続いている国内経済指標の確認(今週は29日に集中)
    5月月次が低調だった小売企業の決算&見通し
    3月期決算企業の配当金振込ピーク期間入り ※月末ピーク
    株主総会シーズン ※集中日は28日

これらに関わる今週のイベントとしては以下の通りです
(経済指標と国内小売決算、国内政治の詳細は前記事を御参照ください)

 25日 国会正常化
    アジアインフラ投資銀行年次会合(25-26日)

 26日 米印高官級通商協議、米国連邦議会予備選挙(5州)
    米2年債入札、伊10年債入札、ダウ構成銘柄入替え

 27日 クオールズFRB副議長講演
    米5年債入札、米2年物変動利付債入札

 28日 満月、一帯一路サミット、EU首脳会議(28-29日)
    米7年債入札(7-10年の金利が逆転するとの観測も)
    FRBが大手銀行の包括的資本分析結果公表
    米国が中国による重要技術投資を抑制するための報告書公表
    ダウに採用されたウォルグリーン決算、ナイキ決算

 30日 中国6月製造業&非製造業PMI

  1日 中国が輸入自動車関税と日用品関税を引下げ
    OPEC加盟国と非加盟国が日量100万バレルの小幅増産を開始
    メキシコ大統領選、加、メキシコが対米報復関税導入予定

以上の通り、政治絡みのリスクはどうにでも解釈出来ますし、
市場の反応次第ではありますので、
リスクの主役としては、実体経済へダイレクトに影響する上に、
金利上昇アレルギーの症状も左右する貿易戦争動向、
準主役として図体がデカいだけに騒ぎが起きるとシャレにならない中国動向、
(先に述べた通り、今週の中国はメンツを掛けた動きへの期待もあります)
伏兵としては潰れる潰れる詐欺的なドイツ銀行リスクが不気味です。

なにやら市場では貿易戦争に対して、
懲りずに織り込んだのでは?どうせ双方が譲歩するんでしょ?
という空気もありますが、仕掛けた側(米国)の姿勢は未だに強硬であり、
中間選挙を見据えている限り、妥協するとも思えず、
トランプマン自らも市場が悲鳴を上げるのは承知の上でやると言っており、
追撃がどれだけ出てくるのかも含め、7月中旬までは全貌が見えないです。

仕掛けられた国々(中国・欧州・新興国・日本)の報復もこれからであり、
そもそも貿易戦争による実体経済への影響がどれほどなのかの試算も無く、
貿易戦争が激化した5月以降のマクロ指標なり、
企業決算で実体経済への影響を確認するしかない状態です。

従って、双方の国がまさかの譲歩でもするか、
貿易戦争の影響が軽微とのデータ等が出れば、気にする必要もなく、
金利上昇と商いを伴った需給も呑み込むリスクオンとなりますが・・・

そうではなく燻ったままの貿易戦争を臭い物に蓋をするかのように、
織り込み済みとか譲歩を見込んだタカを括ったモードになったとしても、
いつ飛び出すのかわからないトランプマンの呟きや各国の報復措置の発表、
マクロ指標や企業決算によって貿易戦争の悪影響が明らかとなれば、
そのたびに市場はネガティブに反応する安心できない状況が続き、
金融引き締めによる金利上昇も正当化されなくなり、
そもそもの病である金利上昇アレルギーも再発するでしょうから、
少なくとも商いと金利上昇を伴うリスクオンにはならないでしょうし、
せいぜいおっかなびっくりな薄商いと共に、
需給的にも金利も株価も上値が限定的なプチ適温相場が続く程度であり、
可能性として最も高いのは、需給の巻き戻しとも相まったリスクオフ、
リスクオフにならなかったとしてもダラダラと調整モードが続き、
貿易戦争の全容が見えてくると共に国内外の企業決算シーズンである、
7月中旬頃までは続くでしょう(1月高値の裏でもある)。
月初恒例の7月第一週の米経済指標も注目ではありますけどね。

ちなみに足元の需給環境としては、
特に最もでかいカネが動く米債を始め原油とユーロの巻き戻し余地は大きく、
国内外共に株式市場の信用買い残は高水準なままであり、
そもそも3月以降の日本株は現物が薄商いのまま、
先物だけに等しい腰の入ってない動きであり、
しかもそのせいかNT倍率も異常値まで拡大しているので、
(ダウナス倍率も異常値でしたが、先行して修正している動きとも言える)
巻き戻し余地の大きい米債、ユーロ、原油の巻き戻しが始まれば、
裁定買い残は2.2兆円程度ながら先物主導での巻き戻しが、
十分に起こり得る需給環境であり、週末はマチマチな動きでしたが
先週からの巻き戻しが未だ進行中と言えます。
日本株は先々週まで外国人が買い越していたものの、
先週に入って以降の動きと共に空売り比率の高水準も続いており、
外国人が売り越しに転じている動きも垣間見えます。

ということで今週については、貿易戦争が双方の「譲歩」で落ち着くなり、
実体経済への影響も軽微だとデータ等で明らかとなり、
海の向こうが金利上昇と商いを伴ったリスクオンが継続、
国内はNT倍率の修正と円安共に現物の商いの伴った株高が継続、
というまさかのポジティブ過ぎるシナリオにでもならない限り、
現状はリスク資産売りのオイニーが漂う動きが続いているので、
需給の巻き戻しとも相まったリスクオフあるいはダラダラ調整が、
7月中旬頃まで続くと見て、引き続き、慎重に構えておきましょう。

ただし貿易戦争が燻ったまま金利上昇も商いも伴わない適温相場となれば、
上値も限定的と割り切って、リスク覚悟で短期的に乗るのは自由ですが、
くれぐれも御注意ください。

新興市場は、海の向こうや国内主力大型株のリスクオフ色が強くなると、
リスク資産の象徴である新興市場が過度に売られるのも相場の常であり、
足元では最たる象徴の仮想通貨が金融庁の鉄槌も相まって暴落が続いており、
週末時点では残念ながらそういったリスク資産売りが継続しているので、
(ナスダックとラッセルの売りも同様のニオイです)
海の向こうや国内主力大型株は関係ないと言わずに注視すべきですが、
注視せずともせめて商いの伴った上昇が「継続する」までは、
引き続き、慎重に構えておきましょう。
ただし今週は国会が正常化もするので、政策やテーマ株、
今週も続くIPO関連といった資金の集中している個別は御自由にどうぞ。
(今週のIPO銘柄には上場取消という事件もありましたけどねw)

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