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不沈艦日記
マーケット展望などなど。
答え合わせ相場入り初日を経て・・・
こんばんはです。

昨夜から答え合わせ相場入りとなりましたが、
足踏みの続く米GDPの7割を占める個人消費関連指標として、
4月分を含め低調が続く米小売売上高や1-3月期の小売企業業績に対し、
昨夜発表された米4月個人消費支出は堅調な結果となり、
個人所得も同じく堅調な結果となりましたので、
決して足踏みは一時的だったとか盛り返したとは言えませんが、
足踏み一色だった米個人消費は、まだら模様になったとは言えます。
ただし昨夜発表されたマインド系指標の5月消費者信頼感指数は、
数字としては悪くないですが、市場予想を下回っております。

景気の先行指標でもあり、一部では足踏みが見られる製造業関連指標として
昨夜発表された米5月ダラス連銀製造業活動指数は、
足踏みではなく、堅調な結果となっております。

一方、FRBの本業である物価指標としては、
金融政策を決める上で目安とするコアPCEデフレーターは鈍化しており、
先日の米消費者物価のイマイチぶりも合わせると、
利上げが必要という程の物価の伸びとまでは言えないです。
昨夜講演を行ったFOMCでの投票権を有するブレイナード姉さんも、
6月の利上げは妥当としながらも、物価の足踏みが続くようだと
それ以降の利上げは再考する必要があるとも言っております。

他にも昨夜は一部で利上げの副作用とかバブルと囁かれる米住宅指標として
リーマンショック前と比較されがちな3月ケースシラー住宅価格が発表され
副作用の現れている販売件数ではなく、見ての通り価格指標なので、
堅調な結果が続いており、好意的に資産効果を生むと言うべきなのか、
それとも利上げの副作用とか販売件数の鈍化に繋がるとか、
バブルや!言うべきなのかわかりませんが、堅調な結果ではありますので、
金融政策という目線では、利上げに追い風とも言えます。

以上の通り、米国のマクロ環境という実態面での答え合わせとしては、
住宅指標は解釈の仕方によるので何とも言えませんが、特に変わりはなく
物価も特に変わりないとは言え、利上げを後押しする程ではなく、
足踏みがまだら模様だった製造業関連指標と足踏み一色だった米個人消費は
好材料が一つ増えたという感じです。

繰り返し書いている通り、米国のマクロ環境という実態面においては、
足踏みの続く米個人消費と景気の先行指標である製造業の一部の足踏み
これらに対して景気の遅行指標である雇用関連指標は堅調ぶりが続いており
果たして先行指標の面々の足踏みが一時的なのものなのか、
それとも継続しているものなのかが焦点ではあるので、
これらが回復さえしていれば、
いずれは遅行指標である雇用にも足踏みの症状が現れたとしても、
一時的だというポジティブな見方も出来ますけど・・・

そうなるには5日の米5月ISM非製造業景況指数、
次回の米5月小売売上高、これら来週以降の指標は置いといたとしても、
せめて明晩に発表される米5月ISM製造業景況指数、
米5月新車販売が堅調な結果になる必要があると言えます。
(個人的には低調の続いている米新車販売が特に注目です)

逆に言えば、これらが低調な結果となり、
明晩の5月ADP雇用、週末の5月雇用統計までが低調な結果になると、
米個人消費や製造業の足踏みは一時的ではなく継続しており、
雇用にまで足踏みが現れてきたという解釈となり、
FRBの強気な景気見通しと利上げ姿勢への疑念が増すことになります。

そしてこれらの小難しい背景と一致した動きとなっている市場でも、
FRB(米金融政策)と同じ強気な楽観モードである米株に対して
米個人消費(物価も含め)と製造業と同じ警戒モードな米債とドル、
というちぐはぐな構図についても、警戒モードな米債券とドルが正解となり、
楽観モードな米株が間違っていることになり、
現状では数値的に割高な米株も正当化されなくなります。

ただでさえ騒ぎになっているロシアゲート問題のせいで、
業績の嵩増しとなる減税を含む税制改革だけでなく
トランプマンの政策実行力そのものへの疑念が増している状態ですからね。

ちなみに以上のような昨夜時点の答え合わせに対する市場の動きとしても、
米債券高・ドル安、薄商いでの米株安となっており(原油安も)
警戒モードな米債券とドルが正解の動きです

欧州市場については、英仏伊の政治リスクやギリシャの財政リスク、
ドイツ銀行等の金融リスクが騒がれておりますが、
昨夜は独消費者物価が低調だったことで、
個人的には謎だったテーパリング観測がやや萎んでおり、
欧州市場の答え合わせとしては、政治リスクや財政リスクがあろうとも
テーパリングが出来るほどに(ユーロ高に耐えられるほどに)
欧州の景気と物価は堅調なのかということですから、
昨夜に関してはやや怪しいという結果となり、
欧州市場の反応としても、欧州債券高(伊・ギリシャ債券安)、
薄商いでの株安となっておりますが、
主役の米国要因ともいえるドル安もあってユーロ高は継続しております。

そして本日の日本株は、3兆円という大商いでの株安や!ではなく
月末とMSCIリバランスも重なったことで、
最後っ屁(最後の1分)で1兆円が嵩増しされたこともあり、
実質的には薄商いでの小幅安と言えますし、
動きとしては先にも述べた海の向こうによる円高での株安とも言えます。

国内の答え合わせとしては、4月鉱工業生産と住宅着工が堅調な結果となり
欧米に比べるとイマイチだった国内のマクロ環境にとっては、
好材料だった言えるのですが、これといった反応もなく、
昨日の未来投資会議で概要が示された安倍ちゃんマンの成長戦略に対しても
残念ながらこれといった反応もなかったので、
海の向こう次第という状況にも変わりないということです。

以上の通りなので、答え合わせの初日としては、
マクロ・ミクロ共に堅調でテーパリング観測もあった欧州は、
物価がイマイチなだけでなく、政治と財政リスクがやや台頭しており、
主役である米国では、米消費に明るい材料が一つ現れたものの、
物価はイマイチなままであり、トランプマンを巡るリスクも変わらないので
実態や金融政策、リスクといった小難しい背景としては、
今のところは警戒モードが正解という状況であり、
市場も債券と為替の警戒モードが正解という動きでおます(原油安も)。
国内としても警戒モードが正解という動きではありますが、
残念ながら海の向こう次第という状況も継続中でおます。

従って今夜以降も答え合わせ相場が続くことになり、
今週のイベントで明確な答えが出ないと、
6月13-14日のFOMCまで答えが出ないのかという気もしますが、
先にも述べたイベントも含め、今週は盛り沢山であり、
日程は未定ながらコミー前FBI長官の公聴会も控えておりますので、
(来週にはトランプマンの元外交顧問の公聴会もあり、フリン氏も?)
ベタなFOMCよりも前に答えが出そうではありますが・・・

私としては懲りずに警戒モードが正解だと思っており、
もはや5月末なのでセルインメイとはなっておりませんが、
セルイン田中邦衛(じゅーん)くらいはあると見ております。
足元の需給環境から見れば、
かつてのような何チャラショックが起きる可能性は低いですが、
4月安値あたりまでの巻き戻しは起きる可能性は高いでしょう。
信じるか信じないかはあなた次第ですけどね(笑)

ということで、明日のスタンスとしては、特に変わりまへんけど・・・

持ち越し短期勝負の方については、
以上の通りなのでシンプルに市場目線で見るならば、
お気楽モードの株式市場、警戒モードな債券、為替、原油、
どちらが正解なのかという目線で判断すればいいでしょう。
従ってお気楽モードな米株高・米債券安・ドル高・原油高となれば
結果的に我が国も円安・株高となるので、
突発的なトランプリスク等を覚悟の上で勝負すればいいですが、
警戒モードな米債券高・ドル安・原油高、そして米株安となれば
結果的に我が国も円高株安となるので、持ち越し勝負は控えましょう
ただし需給的には過度な状態のユーロ高、米債券高が継続するようならば、
我が国だけが貧乏くじを引く可能性もあるので御注意ください。
(昨日と週初の記事を御参照ください)

そしてどちらが正解とも言えない現状の動きが続くならば、
今夜以降も答え合わせなイベントが盛り沢山なので、
せめて商いを伴った株高とならない限り、持ち越し勝負は控えましょう。
(騒ぎになっている仮想通貨も横睨みしておきましょう)

腰を据えて構えている方については、
現状は十分に余裕もあるでしょうが、以上の通りの状況なので
海の向こうが警戒モードが正解な米債券高・ドル安・米株安(原油安も)
国内では商いの伴った株安・円高となるようであれば、
あれこれ考えず、早めに撤退するという姿勢では構えておきましょう。
私としては懲りずに少なくとも下値のメドとしては、
4月安値までの巻き戻しがあると見ているので、
そこまで許容できる方は王者の風格で構えておくのは自由です。

新たに腰を据えて参戦する方については、
持ち越し短期勝負の項で書いた状況次第で参戦判断すればいいですが
シンプルに国内で商いの伴った株安円高となるようであれば
潔く早めに撤退するという姿勢だけは忘れずに参戦してください。

新興市場については、国内外の小難しい背景やリスクがあるものの
現状は上昇局面で商いが膨らみ、下落局面では商いが減少
という別世界な上げゴリモードが本日も含めて続いていると言えます。
従ってシンプルに商いの伴った下げが継続しない限り、
薄商いでの下げは押し目と見て、割り切って引き続き勝負姿勢でいいです。
(来週以降も政策やテーマに関わる官民イベントが豊富ではあります)

ただし先にも述べた通り、国内外共にザワついているのも事実であり
世界的なリスクオフとなると新興市場も避けられないので、
ザラバ中に海の向こうと国内大型株が、
持ち越し短期勝負の方の項で書いた警戒モードな動きとなれば、
新興市場も慎重に動いた方がいいです。

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