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不沈艦日記
マーケット展望などなど。
リスクと実態と動きと
おはようございます。

まずは燻ったままのリスクの現状と週末時点の市場の動きと状況を交えながら
書き進めてまいります。

★トランプマンの議会運営と政策実行力への疑念リスク

恒例行事でもある米国の財政プロレスですが、
週末になんとか一週間のつなぎ予算が議会で可決され、
お馴染みの政府機関閉鎖は回避され、来週の雇用統計等の経済指標も、
無事に発表されることになりましたが、つなぎ予算の期限は5月5日に過ぎず
肝心の9月末までの本格予算が成立していないのですから、
これまでにトランプマンの政策に関わる法案が議会では何一つ可決されず、
トランプマンが指名した人事の約半数が議会での承認を得られておらず、
議会を通さない大統領令には司法からの横槍が入っていることも含めると、
依然としてトランプマンの議会運営と政策実行力への疑念は拭えないままです

しかも現在は支持率が低迷したままであり、
議会も世論を気にして遠慮する必要もない状態のところに、
本日でトランプマンのハネムーン期間が終了を迎えることになり、
(そもそもハネムーン期間があったのか?という議論は置いといてw)
野党民主党としては、共和党と対立しているオバマケア代替法案、
メキシコ国境の壁建設費用を予算成立への人質として利用しかねないだけに、
つなぎ予算期限の5日まで議会は紛糾しそうであり、
市場がよだれを垂らして待ち望んでいる税制改革は、
いつになるのやら・・・としか思えないのですが(笑)

とりあえずトランプマンが予算成立の引き換えに、
オバマケア代替法案等で妥協するようだと、結局は弱腰の譲歩かいなとなり、
妥協しなければ予算が成立せずに政府機関の閉鎖、
(かつて閉鎖となった際にも市場の反応は堅調でしたけどね)
もしくは更なる繋ぎ予算で凌ぐことになり
トランプマンの議会運営能力と政策実行力への疑念は高まることになります

つまり過去の例からも政府機関閉鎖となっても影響は軽微そうですが、
そんなことよりも、そもそものリスクである
トランプマンの議会運営と政策実行力への疑念がさらに増すことで、
目玉の税制改革の実現性への疑念も増すことになります。

★北のカリアゲマン巡る地政学リスク

先に述べたトランプマンの議会運営と政策実行力への疑念リスクが燻る中、
週末には北のカリアゲ星人を巡る国連安保理閣僚級会合が開催され
米国は行動に移す時だ!中国は対話すべきだ!と意見が対立するのをよそに
カリアゲ星人は空気を読まずにミサイルを発射!しかも北の国内に着弾!
わざとなのか失敗なのかわからない微妙な挑発行動に・・・

少なくともメンツを重んじる中国の顔には泥を塗る行為でもあり、
発射が成功していれば、空母カルービンソンが対馬沖を通過した状況下では
トランプマンとしても見過ごすわけにはいかない事態となるので、
いよいよ後には退けない緊迫した状況に陥りそうですが・・・

しかも先に述べた通り、米国内の支持率低下したたままハネムーン期間を終え
議会運営と政策実行力への疑念も拭えないままの状況が続いており、
下手をすれば6日から政府機関が閉鎖にもなりかねないだけに、
トランプマンとしては、つなぎ予算で政府機関が機能している5日までに、
北のカリアゲへ鉄槌を下してもおかしくはないですからね・・・
(安倍ちゃんマンも外交日程を切り上げてますからね)
カリアゲマンとしても、私としては韓国大統領選が終わるまでは、
親北派の候補を勝たせるためにも静かにしておくのかと思っていたのですが
昨日に微妙ながらもミサイルを発射したということは、
もはや韓国は眼中になく、中国の顔にもすでに泥を塗っているので、
孤立とドンパチも覚悟で米国を交渉のテーブルに引き出そうとしている?
それともプーチン大魔王に頼っている?という状況なので、
そうなると韓国大統領選前であろうとも、
北朝鮮沖で米韓合同軍事演習が繰り広げられていようとも、
挑発行為を厭わない可能性も高いと言えます・・

もしかしたらプーチンと会談したばかりで、
トランプマンとも親密な安倍ちゃんが電撃訪朝して仲介する・・・
なんてミラクルがあるかもしれませんが、穿った見方をすると、
憲法記念日(成立70周年)を前に、国民が緊張感を持つような事態となれば
安倍ちゃんの本来の目的である憲法改正に向けた世論形成には、
タイミング的にも都合が良いと言えなくもないので、
どちらに転んでも安倍ちゃんには都合がいいのかも・・・

そんな不謹慎と言えなくもない安倍ちゃんマンの都合はともかく、
今週は北のカリアゲマンを巡る緊張が高まる可能性は大いにあり得ます。

★中東の地政学リスク

中東においては、トランプマンのチョコレートケーキミサイル攻撃、
アフガンのISへの超強力なミサイル実験・・・失礼、攻撃のあとも、
ドサクサに紛れてイスラエルやトルコが暴れており、キナ臭さに変わりはなく
今週はトランプマンがパレスチナ自治区のアッパス議長と会談するので、
米国とイスラエルの事情をゴリ押しするようだと、
さらにキナ臭さが増すことになってもおかしくはないです。

★欧州市場の動きから見た欧州政治リスク

英国のハードブレグジットリスクは燻っており、
今週は英議会が総選挙に向けて解散をするので、
EU側が採択する交渉指針があまりにも強硬な条件を提示すると、
ブレグジット派が勝利と言われている英総選挙にも影響することになり
6月8日の投開票までザワつくことになります。

ちなみに週末の英国市場は、株価がまたしても商いを伴う下落となり、
下落局面で商いが膨らむという動きが足元では続いており、
単にポンドの巻き戻し(ポンド高)を嫌気しているのか、
政治リスクを意識しているのかはわかりませんけど、
動きとしては不穏な動きが続いております。

仏大統領選については、仏をはじめ欧州各国の市場の動きを見る限り、
株価は商いを伴う高値更新状態であり、債券も落ち着いているというか、
むしろ株買い・債券売りモードだと言える動きとなっており、
かつてのユーロ高は欧州経済への足枷という見方についても、
足元の堅調な欧州経済指標と欧州企業決算によって払拭されたのか、
少なくとも仏大統領選への警戒感は全く感じらない楽観モードであり、
南欧の財政リスクも全く感じらない動きです。

だけに・・・7日の仏大統領選決選投票の結果がどうなろうとも、
足元では欧州株の需給環境は過熱しているので(割高感はないです)
市場が動くきっかけになりそうなオイニーも感じるばかりです

★以上のリスクに実態面と週末時点の市場の動きを加味した今週の見通し

以上の通り、主役であるトランプマンの政策実行力への疑念リスク、
北のカリアゲマンと中東を巡る地政学リスク、欧州政治リスク、
これらリスクは主にマインド面を左右することになりますが、
実態面である企業業績や経済指標だけでなく、
足元の需給面やバリュー面も加味しながら、
週末時点の市場の動きや状況を見ると以下の通りでおます。

英国市場と欧州市場のリスクと週末時点の状況は先に述べた通りですが、
週末の為替市場と商品を含む米国市場の動きも合わせると・・・

債券市場は米債券がマチマチながら小幅高、英欧債券は小幅安
為替市場ではポンド最強>ユーロ高>ドル安>円最弱
原油小幅反発、金小幅続伸、その他商品はマチマチ、
米株小幅安、英株安、欧州株小幅安、VIX上昇、
シカゴ日経平均先物は19215円と小幅高
で終えており、米欧市場はリスクに対する素直な動きとも言えますが、
値動き自体は小幅であり、欧米株の商いは何気に高水準が続いております

そして週末だけでなく週末までの基調として市場を見ると・・・

まず新興国は中東諸国が地政学リスクが原因なのか、
足元の原油安が原因なのかわかりませんが、やや軟調な動きが目に付くものの
(サウジは落ち着いているので、地政学リスクが要因なのかも)
他の新興国は概ね株価が高値更新、債券も落ち着いており、
通貨も足元のドル安基調のおかげで堅調と資金流出の動きは見られず、
年末まで危うい動きだったメキシコ、トルコ、フィリピンですら堅調であり
北のカリアゲの隣国である韓国も足元ではトリプル高に近い堅調ぶりであり
北のカリアゲリスクへの警戒感はゼロと言えます。

一方、中国だけは堅調な経済指標を発表しようとも、
誰も信用してないからなのか、燻ぶったリスクへの警戒なのか、
米国の圧力への警戒なのか、足元ではトリプル安の動きとなっており、
SHIBORも月末というのもありますが急騰中であり、
市場の動きとして新興国の中で最も不穏と言えます。

英国と欧州市場の基調は先に述べた通りです。

米国市場は週末にも書いた通り、
米大統領選から年末まで続いた米債券安・ドル高・米株高・原油高
というトランプラリーではなく、かといってこれの全巻き戻しでもなく
警戒モードの米債券高・ドル安基調(原油安、金高基調も)、
楽観モードの米株高基調というチグハグな基調が足元で続いており、
米株だけが楽観とも言えます。

果たして警戒モードと楽観モードのどちらが正解なのかと言えば、
リスクの燻りが大きくなれば警戒モードが正解となり、
逆も然りという単純なロジックですが、
米国の実態面の一つである米企業決算は、
概ね堅調な結果が続いているのも事実なので、
マインド面の要素が高いリスクを警戒した米債券やドル等よりも、
堅調な米企業決算で割高感も和らぎつつある米株の方が、
実態を反映しているリアルな動きとも言えます。

が、しかし・・・

製造業や小売業の米企業決算の一部には、低調とまでは言えないものの、
足踏みや期待(市場予想)を下回る決算も見られており、
米経済指標においても製造業や消費関連指標が低調とまでは言えないものの
足踏みの見られる経済指標が多くなりつつあり、
週末には消費が7割を占める米GDPが低調な結果となっており、
足踏みが良からぬ足音に変わりそうな気配も感じます。

2-3日にFOMCを控えたFRBが、
金融政策を決める上で大好物にしている雇用は完全雇用と言われながらも、
雇用指標は最後に足音が届く遅行指標でもありますので、
米株の楽観ぶりは企業業績と雇用が裏付けであり、
米債券とドル等の警戒ぶりは、先に述べたリスクへの警戒もありますが、
マクロの先行指標や一部のイマイチな企業決算の足踏みを見て、
良からぬ足音が近づいていると警戒した動きであり、
FRBの利上げ姿勢が鈍化するのではと察した動きと言えます。

従ってどちらが正解なのかは、
今週としてはマインドを左右する燻ったリスク動向もありますが
実態面と金融政策面においては、アップル(2日)やFB(3日)等の決算
雇用統計等の特盛な米経済指標もありますが、
これらの経済指標の結果も知っているであろうFRBが、
2-3日に開催するFOMCにおいて、
まさかの利上げに踏み切って楽観が正解だとするのか、
利上げ姿勢を維持する程度に留めて市場の動きに委ねるのか、
それとも利上げ姿勢を鈍化させて悲観が正解だとするのか、
いずれかの判断が下されることになりそうです。

ちなみに足元の需給環境を見ると、米株は依然として過熱状態であり、
原油も過熱とまでは言えないもののそれなりに過熱しており、
ドルは過熱とも落ちるいているとも言えない状況であり、
米債券は大統領選前の水準どころか買い越しに転じているので、
需給環境だけを見れば楽観は米株だけ、警戒は米債券だけとも言えます。
(ユーロ売りポジは昨年来の低水準、ポンド売りポジは未だ鬼盛状態)

国内の需給環境としては円売りポジはさらに減少し、
大統領選前の水準まで減少しているので、円安余地が大きいと言えますが
米債券が買い越しに転じていることを考えると、
円も買い越しに転じるのか・・・と言えなくもないですが、
裁定買い残、信用買い残等は過熱には程遠い状況なので、
国内企業決算で今期見通しが減収減益となったり、
北のカリアゲや海の向こうのリスクが爆発したり、
米国市場で警戒モードが正解だったとならない限り、
円が買い越しに転じる程の円高が加速して日本株が暴落という展開は、
可能性としては薄いでしょうけど、燻ぶったリスク等が収まらない限り、
楽観モードが継続するとも思えないので、
少なくとも仏大統領選以降の楽観モードの巻き戻しは起きると見ております

そのきっかけとなるのは・・・継続したリスクである北のカリアゲ、
欧州政治リスクや主役のトランプマンリスクもありますが
日程が決まっているきっかけイベントとしては、
以上の実態面等の状況からも、明日のISM製造業も怖いですけど、
まずは3日のFOMC結果がヤマ場と言えます。
(日本は3日から7日までGWで休場ですけどねw)

ちなみに今週の注目イベントをピックアップしたものは以下の通りです。
 ※詳細は前記事の今週のスケジュールをご覧ください。

 継続中のリスク トランプマンの政策実行力への疑念と米景気の足踏み気配
         北のカリアゲクソ野郎と中東の地政学リスク
         仏大統領選とブレグジット等の欧州政治リスク

 週を通して 国内企業決算、小売各社の4月月次売上
       北朝鮮沖での米韓合同軍事演習
       ドットフランク法代替法案の議会採決(2日予定とも)
       米下院で対北朝鮮追加制裁案を採決予定(今週中)
       米17年度つなぎ暫定予算期限の28日に向けた議会プロレス
       米企業決算

 1日 4月新車販売、百貨店各社の4月月次売上高、国内企業決算
    中国、欧州等休場
    米3月個人消費出、米4月ISM製造業、米企業決算

 2日 黒田日銀総裁講演、ユニクロ4月月次、国内企業決算
    中国4月財新製造業PMI
    核拡散防止条約再検討会議準備会合、メルケル独首相が訪露
    アップル等の米企業決算、米4月新車販売

 3日 日本休場、露・トルコ首脳会談、英議会解散
    仏大統領選TV討論会、ユーロ圏1-3月期GDP、VW決算
    ADP雇用、ISM非製造業、フェイスブック等の米企業決算
    FOMC結果、米週間原油在庫、米パレスチナ首脳会談

 4日 日本休場、アジア開発銀行年次総会、中尾ADB総裁会見
    中国4月財新サービス業PMI
    トゥスクEU大統領講演、ユンケル欧州委員長講演
    バルニエ英EU離脱・欧州委員会首席交渉官講演
    ドラギECB総裁挨拶、英で地方議会と各市の首長選
    米3月貿易収支、米3月製造業受注、米雇用関連4指標
    米豪首脳会談

 5日 日本休場、アジア開発銀行年次総会、
    日中韓財務相会合、日・ASEAN財務相・中央銀行総裁会議
    日中韓・ASEAN財務相会合
    ユンケル欧州委員長講演、トゥスクEU大統領講演
    バルニエ英EU離脱・欧州委員会首席交渉官講演
    米4月雇用統計、米石油掘削リグ稼働数
    イエレンFRB議長とフィッシャーFRB副議長の講演
    米17年度つなぎ暫定予算期限

 6日 日中財務対話、アジア開発銀行年次総会
    日銀主催ADB総会セミナー、黒田日銀総裁討論会

 7日 アジア開発銀行年次総会、APEC第2回高級実務者会合
    仏大統領選決選投票、独シュレスビヒ・ホルシュタイン州議会選挙

 9日 韓国大統領選

ということで、明日のスタンスとしては・・・

持ち越し短期勝負の方は、我が国はGWの狭間ではありますが、
海の向こうはイベントが目白押しであり、明晩はISM製造業を控え、
カリアゲマンとトランプマン等のリスクは燻りが大きくなっているので、
市場で楽観モードが続いていようとも、
明日と明後日はその日限りの勝負に留めておきましょう。

腰を据えて構えている方については、
シンプルに商いの伴った米株安を始めトランプラリーの巻き戻し(油安も)
円高日本株安とならない限り、王者の風格で構えておけばいいですが、
先に述べた通り、カリアゲとトランプ等のリスクは燻りが大きくなっており、
海の向こうはそれらリスクに絡むものを始めイベントが目白押しなので、
そういったシンプルな動きとなれば、割り切って早めに撤退するのが無難です
一応、これらのリスクとは別に、決算跨ぎにも御注意ください。

腰を据えて新たに参戦する方については、
明日が商いの伴った堅調な展開になろうとも、
先に述べた通り、カリアゲとトランプ等のリスクは燻りが大きくなっており、
海の向こうはそれらリスクに絡むものを始めイベントが目白押しであり、
リスク関連以外の決まった予定のヤマ場イベントは3日のFOMCですから、
明日や明後日にわざわざ新たに腰を据えて参戦する必要もないでしょう。
何より国内企業決算も本格化しているので、
決算を見極めてから物色するくらいの姿勢でいいでしょう。

新興市場については、シンプルに上昇局面で商いが膨らみ、
下落局面では商いが減少という上げゴリモードが続いているので、
商いの伴った下げとならない限り、薄商いでの下げは押し目と見て、
ひとまず明日に関しては、引き続き、勝負姿勢で挑めばいいでしょう。
ただし海の向こうは先に述べた通りであり、
世界的なリスクオフとなれば新興市場も避けられないので、
海の向こうも横睨みしつつ、くれぐれも覚悟して勝負してください。

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