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不沈艦日記
マーケット展望などなど。
いずれにしても・・・なままで週末&7月へ
こんばんはです。

いやはや、Brexit騒動は収束したのでしょうか・・・(笑)

昨夜は当事国である英国株(FTSE100)が騒動前の水準を回復し、
英国債とポンドは騒動前の水準には程遠いものの堅調な動きとなり、
トリプル高という呆れた動きを演じております。

そもそも英国債は格下げを食らおうとも、南欧諸国の様に売られることもなく
その他の国々の債券と同様、リスク回避で買われていただけでなく、
CDSも急上昇したとは言え、水準そのものが低いですから、
おかしいっちゃあおかしかったと後付けな見方も出来ますが、
それにしても・・・(笑)

そんな英国を含め昨夜の海の向こうでは、
Brexitのリスク回避で売られていたポンド、ユーロ、株が、
巻き戻しの動きとなって買われており(原油もかな)、
一方でリスク回避で買われていた債券も売られておりますが、
同じく買われていた円、金、我が国の債券は堅調なままであり、
ユーロ圏の債券もイマイチ売られておらず(マイナス金利国も)
そして株価については、金融緩和真っ只中のユーロ圏の中の南欧重債務国、
マイナス金利なスイスとスウェーデン、得体のしれないリスクを抱える中国、
そして我らが黄金の国ジパング、これらの国々の株価は戻りが鈍いだけでなく
水準そのものが低いままの放置プレー状態です・・・

やはり英国は離脱を望んでいたのではないのか?
何だかんだ言っても、騒動前までは米国と共に利上げ路線だった訳ですから
お荷物のEUとユーロ圏から逃れたかったのではないのか?
結局は米英のやりたい放題という世界の構図は変わってないのか?
だからこそEU首脳会議において、
独仏が英国に対して突き放す態度を示しているのを見ていると、
心の中では英国がほくそ笑んでいるのではないのか?
なんて穿った見方もしたくなるばかりです(笑)

まぁBrexit騒動については、個人的には収束したと思ってませんけど、
もし収束していたとしても、先に述べた通り、
英国以外のユーロ圏を始めとする欧州各国市場での巻き戻しの鈍さを見ると、
当事国の英国以外の国へ波及したのか、本来の姿に戻っただけとも言えます

そしてユーロ圏と同様、金融緩和真っ只中の我が国は、
円と債券が巻き戻されず、株価の戻りも鈍いことからも、
昨日も書いた通り、国内独自の良からぬ空気が漂っていると言えますので、
Brexit騒動が収束したところで・・・という状況ではあります。
(ちなみに本日も薄商いでの反発であり、動き自体も月末なので、
 ややアテにはならないと言えます)

そんな我が国とユーロ圏各国、マイナス金利国にとっては、
米英の利上げ路線が頓挫することになれば、
金融緩和政策の意に沿わない通貨高が重石になり、
迷惑極まりない話になりますからね・・・
しつこいようですが、何かに備えて米英はという気がしてならないです(笑)

何かというのはBrexitをきっかけとした離脱ドミノなのか、
バブルと言われている米英中の不動産バブル崩壊なのか、
スットコドイツ銀行から波及する欧州金融機関の破綻等による金融不安なのか
単純に世界的な景気失速なのか・・・
どれなのかはわかりませんが、Brexit自体が収束しようとも、
それをきっかけに良からぬ「うねり」が拡がる可能性は残っております。
少なくとも市場はダメージを受けているのは事実ですからね。

わが国については、そんな海の向こうの不穏な空気だけでなく、
独自の良からぬ空気は漂ったままですから、
それを確認する意味でも明日の日銀短観は重要でおます。

4月1日に発表された前回の3月調査では、2016年度の想定為替レートは
1ドル117.46円(上期117.45円、下期117.46)を前提に
企業収益の2016年度見通しは以下の通りとなっております。

           通年   上期   下期
 売上高 製造業  -0.6 -0.7 -0.4
     非製造業 -0.3 -0.8 +0.1
     全産業  -0.4 -0.8 -0.1

 経常  製造業  -1.9 -9.6 +7.9
     非製造業 -2.1 -5.1 +1.8
     全産業  -2.0 -7.2 +4.7

 純利益 製造業  +2.0 -11.0 +23.3
     非製造業 -3.9 -11.2 +7.3
     全産業  -1.0 -11.1 +15.0

その後に発表された4月下旬からの企業決算においての想定為替レートは、
厳しいところで1ドル105円(1ユーロ120円)、
大半のところは1ドル110円(1ユーロ120-125円)であり、
2016年度の業績見通し自体も前回の短観よりも引き下げられましたが、
現状の為替水準を見る限り、更に業績懸念が増していると言えます。

そして明日発表される6月調査の日銀短観の調査回答期間は、
前年と同様であるならば5月27日-6月30日までですから、
為替市場では6月に入ってから円高が加速し(株安も)、
Brexitが起きた23日以降も含まれているだけに、
想定為替レートと共に企業収益見通しも大きく引き下げられると、
ただでさえ風化している現状の日本株のEPS、PER等に対する見方が
さらに風化する可能性が大きいと言えます。

ほとんどの企業がBrexit前に回答していたのならば、
多少はマシな結果になるかもしれませんが、
想定為替レートが平和過ぎるようだと、Brexit前の回答じゃないのか?
というケチも付く可能性がありますので、
いずれにせよ7月下旬から始まる1Qの企業決算ラッシュまで、
業績懸念は払拭されそうにないです(織り込みにもなりそうにない)・・・
(米国企業決算は7月11日のアルコアから始まります)

他にも日銀短観では足元のDIと先行きのDIが、
市場予想のプラス圏を維持できるのか・・・
前回からついに悪化した設備投資は改善しているのか・・・
という点も注目です。

以上の通り、Brexit自体が収束したとしても、
それをきっかけとした世界的な良からぬ「うねり」は収束したとは言えず、
国内独自のマクロ、ミクロ(業績)両面での良からぬ空気も残っているだけに
安倍ちゃんマンを含む各国が財政出動に動き、
黒ちゃんマンを含む各国中銀が動くなりしないと(効果はともかく)、
Brexitから始まった「うねり」はもちろん、
国内の良からぬ空気も払拭されないと言えますので、
商いの伴った本格反発となるのは難しいでしょう。
そして良好な国内の需給環境による巻き戻しすらも長続きしそうにないです。

ということなので、週跨ぎとなる明日のスタンスについても、
週初に書いた通りのまま特に変更はないので、詳細は割愛させて頂きます。
ただし新興市場については、本日はやや商いを伴った上昇となりましたので、
明日も続くようであれば、かなり明るくはなりますが・・・
マザーズは英国と同様、Brexit前の水準も回復しているのでね。

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