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不沈艦日記
マーケット展望などなど。
明日はともかく、ひと時の台風一過も。
こんばんは。

台風がいよいよ上陸しており、明日には日本を縦断して北海道を抜ける様なので、

雨、風共に一時的かも知れませんが、お気を付け下さい。


さて、株式市場に吹き荒れる台風はというと、

海の向こうではスペインを始めとする欧州債務問題と米景気失速懸念、

徐々に膨らみつつある中東情勢の緊迫化とLIBORを始めとする金融スキャンダル、

国内では領土問題によるチャイナリスクと韓国との摩擦、高止まりする円高、

ポンコツ政治劇団による政局コント、徐々に膨らみつつある企業業績懸念、

と言ったところです。

そして台風ではなく、晴天材料(好材料)としては、

日米欧中銀によるドーピング(金融緩和)3連発、中国の金融緩和&財政出動期待、

目先ではスペインの重要イベント通過、3月高値期日通過といったところでしょう。


これらを踏まえつつ、今週のスケジュール等も加味しながら、

今週の展望を占っていきましょう。
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国内海外
1(月)9月調査日銀短観米9月ISM製造業景況指数
9月新車販売台数米8月建設支出
ユーロ圏8月雇用統計
内閣改造ユーロ圏9月製造業PMI・確報値
独9月製造業PMI・確報値
決算-ライトオン、しまむら仏9月製造業PMI
スペイン9月製造業PMI
イタリア9月製造業PMI
イタリア9月財政収支
英9月製造業PMI
英8月マネーサプライM4
中国9月製造業PMI
韓国9月貿易収支
韓国9月HSBC製造業PMI
バーナンキ議長、「金融政策」について講演
サンフランシスコ連銀ウイリアムズ総裁講演
ギリシャが13年予算を議会に提出
ポルトガル中銀コスタ総裁講演
オーストリア中銀ノボトニー総裁講演
アスムセンECB理事講演
中国 国慶節休暇(9/30-10/7)
休場-中国、豪州、香港、韓国
2(火)9月マネタリーベース米9月国内自動車販売
8月毎月勤労統計調査ユーロ圏8月生産者物価
ブラジル8月鉱工業生産
ファストリ9月国内ユニクロ売上
家電見本市(-6日)豪州準備銀行理事会、政策金利発表
中国 国慶節休暇(9/30-10/7)
決算-スギ、イズミヤ
国債入札-英
休場-中国、香港、インド
3(水)東京ステーションホテル開業米9月ADP雇用統計
米9月ISM非製造業景況指数
決算-ローソン、キユーピー、米MBA住宅ローン申請指数
    ミニストップ米週間原油在庫
ユーロ圏8月小売売上高
ユーロ圏9月総合PMI・確報値
ユーロ圏9月非製造業PMI・確報値
独9月非製造業PMI・確報値
スペイン9月非製造業PMI
イタリア9月非製造業PMI
仏9月非製造業PMI
英9月非製造業PMI
中国9月非製造業PMI
豪8月貿易収支
米大統領候補討論会(3日、16日、22日)
イングランド銀行金融政策委員会(-4日)
アイスランド中央銀行政策金利発表
ポーランド国立銀行政策金利発表
WTO一般理事会(-4日)
中国 国慶節休暇(9/30-10/7)
決算-モンサント、ファミリー・ダラー
休場-中国、韓国
4(木)日銀金融政策決定会合(-5日)米新規失業保険申請件数(21:30)
米8月製造業受注(23:00)
10年国債入札9月12・13日開催FOMC議事録(27:00)
豪8月小売売上高
IPO-日コンセプト
ECB理事会、政策金利発表(20:45)
決算-セブン&アイ、カッパ、ドラギECB総裁記者会見(21:30)
    良品計画、パルコイングランド銀行政策金利発表(20:00)
イングランド銀行資産購入枠発表(20:00)
セントルイス連銀ブラード総裁講演
WTO一般理事会(3日-)
中国 国慶節休暇(9/30-10/7)
国債入札-スペイン(17:30)、仏
決算-マリオット、ヤム・ブラウンズ
休場-中国
5(金)8月景気動向指数米9月雇用統計
米8月消費者信用残高
日銀金融政策決定会合(4日-)独8月製造業受注
日銀白川総裁会見スペイン鉱工業生産
ブラジル9月消費者物価
決算-オンワード、ダイエー、加9月雇用統計
    吉野家、パソナ、不二越
    ユニオンツールメルケル独首相講演
モンティ伊首相、各国首脳と会談
ショイブレ独財務相、朝食会に参加
デュークFRB理事講演
中国 国慶節休暇(9/30-10/7)
休場-中国
6(土)-中国 国慶節休暇(9/30-10/7)
シドニー市場で冬時間終了、夏時間に移行
7(日)-中国 国慶節休暇(9/30-10/7)
ベネズエラ大統領選挙
ブラジル全国市長・市議会議員選挙第1回投票
8(月)体育の日ユーロ圏財務相会合
ESM稼働

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以上の通り今週はマクロ指標、政治イベント、中銀イベントと共に

突出した重要イベントが見当たらず、どれも同じ水準の重要なイベントと言えます。

しかも日程的にも分散している上に、週明けにはユーロ圏財務相会合、ESM稼働

日本は三連休を控えており、焦点を絞るのが難しい一週間と言えますので、

頭の整理を兼ねて地域ごとに紐解いていきましょう。

やや長くなっておりますので、面倒な方は最後のまとめだけ読んで下さい。


★欧州

先週末、市場に吹き荒れていたスペイン台風は、

27日にEUからの支援条件を満たしたと言える歳出削減策、13年度予算案を発表、

28日に発表した銀行支援必要額も約400億ユーロとなり、

EUとの間で合意済みの支援枠である1000億ユーロで十分に賄える額ですから、

スペイン台風はひとまず無事に通過したと言えます。

残すはスペイン政府からEUへの支援要請、

そして支援要請が稼働条件でもあるECBのOMTによるスペイン国債の買い入れ、

を待つばかりという状況なので、週前半の財政収支やPMIといったマクロ指標よりも、

4日に控える長期債入札の方が重要と言えます。

支援要請に対する市場からの催促とばかりに、入札を機にスペイン国債利回りが

更に上昇する可能性も高いですけど、

実際はEUとECBによるバックアップ体制は整っており、

両者からの支援条件も満たしているので、入札は無難に通過するでしょうけど、

当日までは警戒感は燻ぶりそうです。

そして先週末は対外的にいい顔をしたとも言えるので、

国内でのデモ等の騒ぎが大きくならないかと言った懸念は残ります・・・


もう一つの台風であるギリシャについては、

昨日も書いたので詳細は割愛しますが、明日にも議会へ提出予定である、

トロイカからの支援条件(115億ユーロの歳出削減策)を含む13年度予算案が、

議会で承認されるかどうかです。

ジャイアン米国による圧力のお陰で時間的にも猶予がある上に、

一応120億ユーロの歳出削減ということなので、心配はないでしょう。

以上が今週に控えるスペイン、ギリシャでの台風と言えますが、

もし波乱が起きたとしても、日程的にはECB理事会が後ろに控えておりますので、

ドラギが追加金融緩和(利下げ等)、あるいは火消し発言くらいは期待出来ます。

気掛かりな点としては、先日も書いた通り、ドラギはスペインに対して、

IMFからの支援条件も満たすようにと言っていたはずですから、

今のところはIMFとECBの見解が見当たらないだけに、

ドラギが火消しではなく、火に油を注ぐ事を言わないのかということです。

同じトロイカの一角であるEUの条件を満たしているということは、

IMFの条件も満たしているとも言えなくもないですが、

EUの条件はESMによる支援の条件でもありますからね・・・

そしてESMによるスペインの銀行への資本注入に対しても、

独、蘭、フィンランドの3カ国が将来発生する不良債権のみに適用されるべき、

とケチも付けておりますので、週明けのユーロ圏財務相で揉める可能性もあるので、

同日のESM稼働とスペインの支援要請に待ったが掛かることもあり得るかも・・・

ま、ユーロ圏債務問題については。そもそもOMT自体がただの時間稼ぎであり、

実態としてはほとんど解決には向かっていないのが現状ですから、

ケチを付け始めるとキリが無いので、目先だけに焦点を当てるならば、

今週はスペイン、ギリシャ台風の後に、

ECB理事会、週明けにはユーロ圏財務相会合も控えており、

後出しジャンケンの態勢が整っていると言えますから、

今週は少なくとも大きく崩れることはなく、

スペイン国債入札とECB理事会の重なる4日までは堅調に推移しそうです。


★米国

今週は先週の様に欧州次第とは言えない毎月恒例のISM&雇用ウィークです。

ツルピカハゲ丸おじさん(バーナンキ)による、頭はすべるけどすべらない話(1日)、

オバマッチョとロムニーによる公開討論会も控えております。

ツルピカハゲ丸おじさんは大統領選前に加え、公開討論会も控えているので、

自己防衛の為にも、少なくとも市場に冷や水を浴びせる様な事は言わないでしょう。

ISM&雇用については、基本的には悪化すればQE3拡大期待というロジックが、

下支えしておりますが、低調な商いを見ればわかる通り、

QE3効果は未だに見えておらず、素直に反応しそうな地合いと言えますから

ややハードル(市場予想)の高いADP雇用、ISM両指数については、

ネガティブな結果になる可能性もあります。

しかしながら株価自体が先週末までに既に下げている事に加え、

市場目線での肝心な非農業部門雇用者数のハードルは高くはないので、

週末への不安は低いとも言えます。

大統領選目線での肝心な失業率もハードルは低い上に、

オバマとツルピカハゲ丸おじさんもいい顔をするでしょうしね。

ということで、雇用統計までのマクロ指標は、高目のハードルを越えられなくとも、

明日にツルピカハゲ丸おじさんが楔を打てば、

QE3の鮮度も少し回復するだけに影響は軽微でしょうし、

万が一、素直にネガティブ反応になったとしても、

同時に週末の雇用統計に向けて更にハードルが下がるということであり、

週末への不安は軽減され、大きく崩れる可能性も低いと言えます。

ハードルが高いというのは、見方を変えれば楽観的とも言えますしね。


★中国

チャイナリスクは後述するとして、期待される追加金融緩和&財政出動については、

国慶節に動く可能性は、先週よりも高まったと言えます。

というのも、トップ交代が行われる共産党大会が、

国慶節明けではなく11月8日となっており、

上海株が上昇する猶予を設けたとも言えます。

薄熙来に対する処分も、これまでは抑え気味だったものが厳しい方向に変わっており

権力闘争にもひと段落が付いたとも言えますので、

市場にも目を向け始めた可能性が高いです・・・

あくまで推測レベルの話ではあるけど、少なくともこういった期待は高まるでしょう。


★日本

冒頭でも書いた通り、今週もチャイナリスクを含む尖閣、竹島をめぐる領土問題、

高止まりする円高が懸念材料であります。

日韓関係については、クリントンおばさんが仲介に首を突っ込んでいるので、

国民の怒りは置いといて、政治レベルでは落ち着きそうではあります。

対中国については、揉めると米国が得する面もあるだけに、

韓国程には米国頼みは期待できないものの、オスプレイの導入も決まったので、

徐々には米国も仲介に動きだすと思うのですが・・・

明日の内閣改造を機に日中両国に歩み寄りの姿勢が見えればいいのですが・・・。

まぁチャイナリスクに関しては推測レベルの期待しかないのが現状です。

しかしながらそんな期待も、先週よりは膨らんでいるのは事実ではあります。

円高については、ユーロ円は欧州の項でも書いた通り、さほど心配はないのですが、

ドル円についてはバーナンキおじさんがドル安向きの発言をしそうな上に、

特に雇用統計までのマクロ指標のハードルも高いだけに、

日米材料での円安に転じる要素は低いと言えますから、

内閣改造を機に就任する新顔の財務大臣が、

アピール・手柄を兼ねて為替介入に踏み切る可能性も高いだけに、

そういった観測が少なくとも過度な円高には歯止めにはなるでしょう。

そして円高に圧迫される企業業績についても、懸念が膨らみつつありますから、

10月下旬から始まる企業決算に向けて、明日の日銀短観は重要と言えます。

結果論ですが、自動車を始め業績観測は前回の短観通りとも言えますから、

今回も前提となる為替レートに対して、足下と先行きをどう見ているのかを判断し、

10月下旬から始まる決算がどうなるのかという一つの判断材料にはなります。

ということで国内については、明日の短観で業績懸念が膨らむ可能性はありますが、

そうなれば日銀金融政策決定会合(4-5日)での追加緩和期待も高まります。

日銀は先週、資産買入基金による国債買入で年限別の区分を撤廃すると決めたり、

市場に合わせて柔軟な姿勢も見せ始めているので、

いつもよりは頭も柔らかいでしょうから、市場が大きく崩れれば動きそうです。

2日に発表されるマネタリーベースがアホみたいにまさかのマイナスに転じていれば、

先週の消費者物価同様に日銀の姿勢を疑われ兼ねないので、

日銀へのプレッシャーにはなります。


★中東情勢、金融スキャンダル

中東情勢については、イランによる相変わらずの国連演説、イランのシリア支援等

緊迫感は増しておりますが、今のところ自称世界のミニスカポリスである米国は、

オバマの支持率も安定しており、公開討論会で惨敗して支持率が低下しない限りは、

米国から火に油を注ぐことはないですし、イスラエルの手綱も引いたままでしょうから

恐らく動くことになったとしても、軍事予算も絡んでくる財政の崖に合わせて、

速くても年末でしょう。(もちろん止めて頂きたいですけど)

金融スキャンダルについては、LIBORの管理を英当局に移すようですが、

その際にどこまでLIBOR金利が変動するかによりますので、

今のところは推し量れないというのもあり、目先では心配無いでしょうけど、

長い目では危険なものが燻ぶっていると言えます。


★まとめ

以上の通り、海の向こうは週後半まではすっきりせずに、

米マクロ指標とスペイン国債利回りに一喜一憂しそうですが、

欧州はECB理事会、ユーロ圏財務相会合という後出しジャンケン態勢、

米国は週明け早々のツルピカハゲ丸おじさんによる保身を兼ねた前フリ、

週末に控える雇用統計のハードルの低さ、

中国は国慶節中の追加金融緩和あるいは財政出動への期待の高まり、

といったような期待が下支えとなり、ドーピング三連発効果も徐々に現れ、

商いが膨らんでくれば、週後半に向けて堅調には推移するでしょうけど、

薄商いが続くようならば、週後半までは一喜一憂の揉み合いが続くでしょう。

そして我らが日本は、明日については、中国の休場と欧米が動いていないこともあり、

短観の結果次第の反応にはなりますので、

台風の吹き戻しの様な風は吹きそうですが、明後日以降は、

柔軟になりつつある桃屋のオッサン会合(金融政策決定会合)への期待、

野田甲斐性無い閣発足による為替介入期待に加え、

3月高値期日を通過していることも下支えとなり、

中国は休場というのもありますので、欧米動向に合わせた動きとなり、

商いが膨らめば明後日以降は、ひと時の台風一過とはなりそうです。

そして今週はファストリの月次もあり、小売決算も続きますので、

指数次第のファストリはともかく、内需から外需へシフトしそうではあります。


ということで、短期目線の方は、今週は材料が同日に集中しておらず分散しており、

週後半までは一喜一憂となる可能性が高いので、

バクチ好みの方以外は、日々の持ち越しは避けた方がいいでしょう。

中期目線の方は、以上の通り底堅いですから、

先週までと同様に出遅れ且つ取組のいい銘柄を拾えばいいですが、

明日の短観の中身(セクター別の景況感)も考慮して、選別した方がいいでしょう。

長期の方はこれまで通り、ひとまず王者の風格で構えておけばいいですが、

短観の中身次第では、10月下旬からの決算に向けて、

外した方がいいセクターも出て来るでしょうから、

そのセクターに該当する銘柄は外すタイミングを窺った方がいいでしょう。


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